鬼殺隊七不思議七番目 ２

悉皆 ページ30

酷い酷すぎる。今すぐこの場から居なくなりたい…
しかしながら私は命の駆け引きを
しているからそんな甘っちょろい事は言えない


よしっ！と覚悟を決め不死川兄弟の所へ向かうと
二人とも時透さんと同じように固まった後
急にギョッと目を見開き、同時に






「「なんだその傷痕わァ"?」」





と殺気をたっぷりと含んだ台詞を吐いた

『ﾋｴｯ』

怖すぎて声が裏返った

けれどもそんな二人の殺気に気づかないフリをしつつ
外傷の多い弟の方から止血をし始めた

治療をしている間ずっと

「そんな強制的には止めませんけど、俺はやめてほし
いと思っています。だって時守さんが大切だから」

と諭すような説教を受けさせられた
でも私、玄弥さんと蝶屋敷で二、三度すれ違った
だけの関係なんだけどな…


続いて不死川兄の治療

「さっき、玄弥も言ってた通り玄弥も俺も他の柱も
全員お前のことを大切で守りたいと思っているんだ
それに気づけ気づいてくれ」

と又諭すような説教を受けさせられた
途中、不死川さんも傷痕があるから人のことを
言えないんでは？と思い

『不死川さんも人のこと言えないじゃないですか』

と、ついﾎﾞｿｯと呟くと



　 「「あ"ァ"?」」



と二人にキレられまた最初から説教をつけさせられた


二度目の説教と二人の治療が終わると同時に
三人が上弦の壱を倒し終わったようだ
流石の上弦の壱でも前半戦に柱二人と隊士一人による
攻撃を受け後半戦に柱三人の攻撃を受けるのは
無理だったみたいだ

勝利したと言ってもこちらもボロボロで満身創痍に
なるくらいだから敵ながら凄いと思う


甘露寺さんは

「疲れたわ〜止血しなきゃ〜」

と言って地面に座り込んでいる。他二人も同じように
疲れて座り込んでいる。すかさず

『お疲れ様です。止血は私がやりますよ』

と声をかけながら近づいていくと


三人ともそれぞれポカンとした気の抜けた表情を
見せ、固まる。

腕が出ていることを忘れていた……


現実逃避をする為にずっと固まっている
甘露寺さんの止血をしながら
悲鳴嶼さんって目が見えないんじゃなかったっけ？
気配で分かるのかな？と考えていると
止血している固まっていた甘露寺さんが泣き始めた
それに釣られるように悲鳴嶼さんがいつもより
圧倒的に量の多い涙を溢す
宇髄さんは眉間にしわ寄せ、顔に黒い影を
落としている。もうその反応はやめくれ………

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