鬼殺隊七不思議七番目 ２

独占欲が抑えきれない ページ13

宇髄side

少しばかり遅れちまったな
まぁAの体重を増やす為だ許してくれるだろう
持ってきた料理の説明をしていると
顔を熟した林檎のように真っ赤にした
Aに気がつき、声を掛けてやると

「あ、あの！そ、その〜この前の夜は
どうもありがとうございました。わ、私から
積極的に動いてしまって……す、すみませんでした。
え、えっと宇髄さんの腕の中が気持ち良すぎて
誘われて寝てしまったんだと思います。
本当にすいませんでした。」




…これは、これは蝶屋敷に運び込んだ件についてで
いいんだよな！？
一瞬、蝶屋敷に運び込むついでに無意識に
ヤッちまったのかと思っちまった。
なにせ、いつもは飄々としている奴が
真っ赤に顔を染め、恥ずかしそうにうねうねと
体を唸らせながら、しどろもどろに言葉を紡ぐんだ。
こんなAを見て勘違いしない方がおかしい…


その証拠に、悲鳴嶼さんは涙が止まり手に持っていた
数珠を落とし、通常だったらこの手の話題には首を
突っ込んでくる甘露寺が無言・無表情で立ち尽くし、
冨岡と不死川は目を大きく見開き、口をポカンと
開け、伊黒は白目で泡をふいている。

何というかこの場の空気全体が狂っている感じだ


そんな個性で殴り付け合っているような集団で
飛び抜けた反応を示したのは時透と煉獄だった。

二人とも、おぞましいほどの殺気を出している
それは、鬼に派手にぶつけるやつだろ！！
時透においては中指を空に突き刺している

『ﾋｴｯ』

恐ろしすぎて悲鳴が出ちまった
事の元凶であるAは俺に態々手を煩わせたと
勘違いしているらしく、すこし涙目になっている


やめろ、やめてくれ、殺気やらなんやらに拍車が
物凄くかかるから！！いや、かけてるから！！


ほら、時透や煉獄の眼光がまた強くなった……


というか流石にそろそろAの誤解を解かなきゃな

「あ、あのな。A。あれは、俺が勝手にやった事
だからそんな自虐すんな。」

と、此処までいって言葉をとめた。




何故か此処で、どろっとした大人の汚く粘着質な
独占欲が俺の中で渦巻いた。
そして、ついうっかり言葉を吐いてしまった。

「……俺も(腕に)抱いた時(のAの体温が)、

派手に気持ちよかった。」

その言葉を聞いてAは安心したように息を
吐いたが




それと交換に、過ちという一言では済まされない程の
柱全員の本気の殺気を一斉に浴びた。









……誤解を解くのに一週間かかった

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