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ふと気づいた、Aさんの体に沢山の細かな傷がついていることに
これは実験でつくような傷じゃない…爪のようなもので引っ掻かれた感じの、そんな傷
「この傷、どうしたんですか？」
「…！いえ、これは…」
傷を指摘され、言いにくそうに顔を俯かせるAさん
傷の中にはまだ真新しいものもあって、見ているこちらが痛かった
「傷跡から見ると…範囲が狭いので、まだ子供の爪ですかね。…何か、されてるんですか？」
全てを見抜いたような俺の言葉に、Aさんは驚いたように目を見開く
「言いずらかったら、無理して言わなくても大丈夫ですから。」
そういって微笑むと、Aさんの青藍の瞳が揺れた
「あの、」と小さく声を零し、ポツリポツリと話し始める
「私、この楽園のみんなに嫌われてて…それで、いつも痛いこととか嫌なことされて…」
なるほど…こんな環境でいじめか。
あの黒髪の女の子…みりあと言ったか、が言っていた"あんなやつ"とはこのことだったのか。
…いや、いじめている側が"あんなやつ"なんて言葉を使うのは少しばかり引っかかる
何か理由があるのか？
でも一体何故Aさんを？
目立った容姿もしていないし、性格だって少し大人しめの普通の子だ
特にいじめられる理由も見つからない
「そうなんですか…。それは、なぜ？」
さすがにここまで踏み込むのは失敗だったか。
完全に顔を下に向けたAさんの表情は読めず、何か言葉を発する様子もない
ごめんなさい、と謝って立ち上がろうとした時、クイッと軍服の裾を引っ張られた
「…どうかしましたか？」
なるべく優しい声色でそう尋ねると、ぱっと顔を上げるAさん
「…所長、が…」
「…所長？」
聞き返すと、はっとしたように首を横に振って口を噤むAさん
怯えに満ちた瞳は、その先を話してはくれそうになかった
「…理由はわかりませんが、無理にとは言いませんよ。そろそろ帰りますね」
Aさんが頷いたのを見て、さらりと髪を撫でてから部屋を後にする
所長、か…
コネシマさんが「お気に入り」と言っていたし、何かコネシマさんが関係しているのだろうか
こればっかりは少し調べてみるしかない
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かなで(プロフ) - こういう胸糞悪い話大好きなんです。めったに見たいので、とても面白かったです！ (2020年8月14日 19時) (
レス) id: 16beea5def (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 桜華さん» ありがとうございます！そういう感情にさせるのが目的（?）だったので嬉しいです！！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 1さん» ありがとうございます！！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 外ピさん» 辛かったですか、ありがとうございました！wこちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - モブＡさん» ありがとうございます！そう言っていただき嬉しいです、ありがとうございました！！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リン
| 作成日時：2020年4月20日 13時
