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久々に来た楽園は中々に劣悪な環境だった
院内には酷い悪臭が漂い、思わず顔を顰めてしまう
廊下で蹲っている子供の身なりは汚いし、まともに管理されていないというのは一目瞭然だった
「さて…Aさんはどこですかっと」
突然
そんなに怖がらなくても、何もしやしないのに。
それにしてもこれだけ広い孤児院の中、目的のAさんだけを探すのは中々に大変だ
館内放送のようなものがあればよかったが、生憎そんな気が利いたものはここにはないらしい
諦めて歩き回っていれば、ふと黒髪の女の子と目が合った
「すみません、Aさんって人捜してるんですけど」
そう尋ねてみれば、ビクリと肩を震わせて首を横に振る女の子
「し、知らない…あんなやつ、」
「みりあちゃん…!」
黒髪の女の子の言葉に、友人なのか横にいた茶髪の女の子が声を上げる
…"あんなやつ"って、どういうことだ？
「も、もうしわけありません、副所長さま…」
茶髪の女の子が、震えながら腕を持ち上げて半開きになった一枚の扉を指す
「…あそこですか？」
コクン、と頷く女の子に「ありがとうございます」とお礼を言ってその扉に足を向ける
"あんなやつ"という言葉が妙に引っかかったが、まぁ会ってみればわかることだ
半開きの扉に触れ、軽く力を入れて押し開けると、その少女は居た
.
「…だれ、ですか……」
きらきらと光を反射する青藍の瞳をこちらに向け
胸元で青く光る宝石のペンダントを握りしめる少女
恐怖に身を竦ませ、体を震わせるその少女に、俺は思わず息を飲んだ
…あぁ、今思えば、この時既に俺は君に墜ちていたのかもしれない
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かなで(プロフ) - こういう胸糞悪い話大好きなんです。めったに見たいので、とても面白かったです！ (2020年8月14日 19時) (
レス) id: 16beea5def (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 桜華さん» ありがとうございます！そういう感情にさせるのが目的（?）だったので嬉しいです！！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 1さん» ありがとうございます！！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 外ピさん» 辛かったですか、ありがとうございました！wこちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - モブＡさん» ありがとうございます！そう言っていただき嬉しいです、ありがとうございました！！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リン
| 作成日時：2020年4月20日 13時
