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隠し部屋に帰ってくると、昨日とはまた別のいい香りが漂っていた
ほら、やっぱりご飯を作って待っていてくれた。
高鳴る鼓動を抑えきれないまま、足早にAさんの元へと向かう
ピリッとした香ばしい匂いだから中華料理か…？
まぁ何にしろ美味しいことには違いないだろう。
「遅くなってすみません。ご飯ありがとうございま…」
料理が並べられたテーブルに突っ伏すAさん
ゆっくりと肩が上下しており、寝ているのだろうということが分かる
Aさんの前に並べられている食器は綺麗で、先にご飯を食べずに俺を待っていてくれたのだということが簡単に推測できた
その事実が嬉しく感じるも、同時に申し訳なくも感じる
起こすべきか起こさないべきか…非常に悩むところだ
ご飯を食べていないなら起こした方が良いのかもしれない…が、疲れて寝ているところを起こすのも気が引ける。
それに、Aさんは食べたいのを我慢して俺を待っていてくれたのに、寝ているAさんをそのままにして自分だけ食べるというのも…
そもそも、長年人と食事を共にすることがなかった俺にはこの問題は難しすぎる。
すやすやと眠るAさんを前に、珍しく頭を悩ませた
.
結局、Aさんは起こさずにベッドに運んだ
気持ちよさそうに眠るAさんを起こすことは、俺にはできなかった
作ってくれた料理はラップをして冷蔵庫に保存する
Aさんが起きた時に、温めなおして一緒に食べようという決断に至った
ちなみに予想通り中華料理だった
Aさんが起きるまで、ソファにでも座って休むか…と思い、羽織っている軍服を脱ごうとポケットに手を突っ込んだ
普段は何も入っていないのだが、何か固いものが手に触れる
何だろうか、とその固いものを掴んで引っ張り出した
「…あー、」
ポケットから出てきたのは、Aさんが持っていた青色のペンダント
あの日、Aさんの手から奪ってポケットに入れたままだった
さてどうしよう…もう必要のないものだが、勝手に捨ててしまうのも気が引ける
だからと言ってAさんに返しても、父親のことを思い出してここから出たがってしまうかもしれない。
…折角ここまで上手くいっているというのに。
自室のセーフティーボックスにでも放り込んでおくか、とペンダントをもう一度ポケットに突っ込んだ
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かなで(プロフ) - こういう胸糞悪い話大好きなんです。めったに見たいので、とても面白かったです！ (2020年8月14日 19時) (
レス) id: 16beea5def (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 桜華さん» ありがとうございます！そういう感情にさせるのが目的（?）だったので嬉しいです！！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 1さん» ありがとうございます！！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 外ピさん» 辛かったですか、ありがとうございました！wこちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - モブＡさん» ありがとうございます！そう言っていただき嬉しいです、ありがとうございました！！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リン
| 作成日時：2020年4月20日 13時
