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「なんかみかんの匂いする！」
あっちゃんと初めて同じクラス、隣の席になったとき、ふわっと香ったみかんの匂いに思わず大きな声を出して反応してしまったことがあった。
まだ話したこともないクラスメイトの大きな声に、当時のあっちゃんはびくっとしてこちらを見た。
パッと目が合うと、あっちゃんが何かを手に取り、あたしに差し出してくる。
なんだろう、と思いながらも、条件反射でそれを受け取った。
コロンと手の中に落ちてきたのは、小さなみかんの形のオレンジ色をした消しゴム。
そしてふわっと香る、先程と同じ、みかんの匂い。
「うわぁ…ｯ」
当時まだ小学生のあたしには、そんな消しゴムですら、可愛くて宝物のように思えて。
「すごくいい匂い…！」
あつ「…それ、あげるよ」
少し小さな声だったけど、顔を真っ赤にして話すあっちゃん。
「っえ、あ、ううん、ごめんね、そういうつもりじゃ…」
あつ「ううん、ほんとにいいよ。あげる。」
「…でも」
あつ「ほら、これまだ僕たくさん持ってるから。」
そう言って、小さな小瓶を見せてくれる。
確かに、まだ3つ4つ同じ消しゴムが入ってて。
「…ほんとにいいの？…ありがとう、嬉しいっ」
あつ「お揃いだね」
にこ、と笑う笑顔を見たそのとき、とくん、と胸が弾んだ気がした。
何にそうなったのか、それは今でもわからない。
わからないけれど、確実にそのときから、あっちゃんのことを気にする自分がいた。
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みい(プロフ) - 柚-yuzu-さん» コメントありがとうございます！既に何話か書いているのですぐには難しいかもしれませんが、あっちゃんたくさん出せるように頑張ります！ (2022年10月19日 22時) (
レス) id: c03ab64b2c (このIDを非表示/違反報告)
柚-yuzu-(プロフ) - 更新楽しみにしています！あっちゃんたくさん出てくると嬉しいです (2022年10月19日 15時) (レス) @page36 id: c29595c7bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴかち | 作成日時：2022年10月15日 13時
