那須くんは恋が苦手。 (ページ5)

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__ 恋に落ちる音 … ？ページ5

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2年生になって1週間が経った頃の昼休み。

1人で私は自販機前に来ていた。

『安いお茶は～』

数台並んでる自販機から1番安いお茶を探す。
学生は皆安さ重視だよね？笑

そんな事をしていると

_ｶﾞｺﾝｯ

隣の自販機から音がした。

音に反応してチラッと見てみると

『な、那須くん』

思わず声に出してしまった

那須「 …あー、どうも」

ペコッと頭を下げた那須くん

数秒沈黙が流れる

那須「 … 」
しびれを切らしたのか校舎へと足を向けた那須くん

あぁ、また喋れない。
そう思った時だった

那須「 …これ」

『え？』

グーで手を出した那須くんに
反射的に手を差し出す。

_ﾁｬﾘﾝﾁｬﾘﾝｯ

『お、お金…？』

私の手の中に落ちてきたのはお金。
突然の事に戸惑っていると

那須「始業式の、ココアの… 」

と言い、また後ろを向いた

那須「 …あん時は、ごめん。

岩橋さんだって知らなくて、嫌な態度、取っちゃって」

後ろを向いてるから表情は分からない。

だけど、那須くんから話してくれた事が私はなんだかとても嬉しかった

『なんだ！そんな事？

私の勝手なお節介だったのに…
逆に迷惑じゃなかった？』

那須「っ… 」

嬉しくてテンションが上がってしまい
ついつい近付いた瞬間、顔が引きつった那須くん

……あー、女の子、得意じゃないんだっけ…？
特に女の子には冷たいって浮所くん言ってたな

なんて思い出して少し距離を取る。

那須「あ、その…迷惑じゃ…無かったよ」

そう言って、不器用な笑顔を見せる那須くん

前髪が良い感じに目にかかって、
少しミステリアスな雰囲気のその笑顔に

_ﾄｸﾝｯ

私は今まで感じたことの無い感情を抱いた。

『え、あ……ははっ

なら、良かった』

なんだか恥ずかしくて那須くんの目が見れない。

那須「んじゃ」

そう那須くんは言って、
校舎へと向かって行った

_ﾄｸﾝｯﾄｸﾝｯﾄｸﾝｯ

『なんだなんだ…自分心臓うるさいぞ』

どことなしか顔も熱い気がする。

『違う、あの那須くんと話せてテンション上がってるだけ』

そう、

こんな簡単に恋になんて落ちるはずはない…よね？

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