前世の記憶 (ページ6)

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６夢の中で… ページ6

ポンッ

鬼「っ…！」

僕の手に何が触れたので見て見ると、父さんの小さな手が優しく添えられていた

目「自分自身を責めるんじゃない、Aならきっとお前の心の中で生きておる」

鬼「僕の…心の中…」

そう言われた途端、僕はそっと胸に両手を添えた

目「そうじゃ、お前が泣いておったんじゃAが心配してしまうぞ」

鬼「ぐっ…」

ポロポロ出てくる涙を片腕を使い拭い取った、その瞬間ドンヨリとしていた気持ちがすっかり無くなった

鬼「そうですね！僕が強くならなくちゃ…」

目「流石は我が息子！その意気じゃ！」

こうして弱い自分とおさらばした僕は、父さんと共に女の子の看病を暫くの間続けたのであった

～

A「…あれっ？此処は一体…」

目を開けると辺り一面真っ暗な世界だった、怖い…誰か…

？「A」

A「…っ！？」

名前を呼ばれたので振り向くと、片目を髪の毛で隠し、青色の服とズボン、黄色と黒色がトレードマークのチャンチャンコを着こなし、下駄を履いた男の子がいた

A「あのっ、貴方は…」

？「ごめん…」

A「えっ？」

？「ごめんね…Aの事、守れなくて…」

ポロッ…

A「っ！」

どうして謝るの？

それに、守れなくてっ…てどう言う意味？

貴方は…一体…

＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿

＿＿

A「…んっ…」

目が覚めた頃にはすっかり朝日が登っていた

A「いっ…」

鉛のように重くなった体をゆっくり起こせば、藁で作られたであろう御座、中心部には囲炉裏、壁には干物がぶら下がっているのが目に入った

A「此処は…」

ボトッ…

A「っ！？」

突然何が落ちる音がしたので目を向けると、夢に出て来た男の子が立っていた

？「っ…」

A「貴方は…」

ギュッ

A「…っ！？」

いきなり抱きしめられたのでフリーズしてしまった

？「本当に良かった…このまま目が覚めないのかと…」

ポロッ…

体に回された腕が更に強くなっていくのを感じた、喜んでもらえてくれているのは別に良いんだけど…それより…

A「あのっ、貴方は誰ですか？」

鬼「っ！そう言えば、自己紹介がまだだったね、僕はゲゲゲの鬼太郎」

A「鬼太郎…さん？」

？「いかにも」

A「えっ…？」

鬼太郎さん以外には誰もいない筈なのに、誰かの声が近くから聞こえてきた