前世の記憶 (ページ3)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:3,636 hit

３懐かしい面影ページ3

あの事件からどの位の年月が過ぎたのだろう…Aを含め他の幽霊族も亡くなり、僕だけが唯一の生き残りとなってしまった…その後、故郷を去り、今では妖怪横丁の森の奥に家を建て父さんと共に暮らしていた

？「鬼太郎っー！」

今日も何時もの声が僕の事を呼んでいた、その声の主こそ僕達よりも逸早く妖怪の情報を取り入れている…

鬼「猫娘か、どうしたn…」

バンッ

猫「事件よ！」

息を切らしながら思いっ切りちゃぶ台を叩いた為、ただならぬ事が起きたという事が伝わってきた

目「事件だけじゃ分からんじゃろ、一体何があったんじゃ？」

猫「それが…妖怪横丁に見知らぬ女の子が現れたのよ」

鬼「見知らぬ女の子…？」

猫娘の話によるとオババ(砂かけババア)が営む妖怪アパートにいるとの事で僕達は直ちに向かった

～

ガヤガヤ…

妖怪アパートには沢山の妖怪で埋め尽くされていた

鬼「凄い事になってるな…」

猫「でしょ？さっきからこんな感じなのよ…」

砂「…おお、鬼太郎！」

どさくさに紛れ女の子の事を捜していたら、オババがこちらの存在に気付き慌てて歩み寄って来た

鬼「オババ！」

砂「良いところに来てくれたのう、ちょっと良いか？」

オババに誘導されながら歩いていると、弱々しい妖力が伝わってきた、寝室に辿(ﾀﾄﾞ)り着き古びた襖を開けると、其処には一式の布団が敷かれ静かに眠っている女の子の姿が有った、よく見ると身体中に包帯が巻かれていた

砂「この娘の事なんじゃが…」

鬼「…っ！！！」

遠くから見た時は全然分からなかったが、真近で見て見ると何処か見覚えの有る顔立ちだった

猫「…鬼太郎？」

鬼「っ！ううん、何でも…」

猫「…？」

僕の異変に直様察知した猫娘は何やら不安気な表情をしていた、無駄な心配をかけると面倒事になるので何とか誤魔化した

鬼「それでオババ、この娘は何時から…？」

何気無い言葉にオババと子泣き爺は複雑そうな表情をしていた

砂「それが、ワシらにもよく分からんのじゃよ…」

子「見付けた時には既に弱っていたからのう…」

鬼「…そうですか」

目「でも不思議じゃのう…此処最近、何の事件も無く至って平和じゃと言うのに…」

確かに父さんの言う通りだ、人間界で悪さをしている妖怪の情報を全くと言っていい程耳にしていない、なら…どうしてこのような事に…？