♪リクエスト制 鬼滅の刃 曲パロ♪

続き ページ7

最近ずっとAちゃんの様子が変だ

ぼーっとしてることが多くなったし、音も不安定で差が大きい


ねぇ、何か隠してるんでしょ。俺、知ってるよ？


「もー疲れたぁあ」


「お疲れ様。頑張った善逸くんには特別に差し入れ！」


四角い箱を取り出し、Aちゃんはどこか嬉しそうに俺に差し出す。
…俺の前だけで、そんな顔しないでよ。期待しちゃうじゃん


「俺様にも分けろよな」


伊之助が横から手を伸ばし、箱を開けようとする

「だーめ！これは俺が貰ったの！お前手長いんだよ!!」

必死に取られるかと伊之助の手を避ける。

あーぁ、せっかく二人っきりだったのになんて下らないこと考えてる


●


隠しておけるのも、多分時間の問題だと思う

俺がAちゃんを好きだってこと。…恋愛的に、好きってこと


でも駄目なんだ
彼女は普通の街娘で、俺は鬼殺隊


俺と一緒になっても、いつ死ぬか分からない立場にいるから。

それに、俺は彼女をしっかり守れるほどの力が備わってない

「善逸…は好きな人、いる？」


自分で聞いておきながら少し顔を赤くするAちゃん。愛おしくなって、思わずぽろりと俺は言葉をこぼしてしまった


もう、言っていいかな


俺のこと、少しでも意識してほしいんだ。他の人じゃ駄目で、Aちゃんだけに


「いる。…いるよ、俺の目の前に」


＿瞬間、Aちゃんの瞳が潤んだ気がした

俯いて、Aちゃんは俺から顔を隠した
耳がほんのりと桃色に染まっている。ねぇ、俺ね。


「…伊達にAちゃん見てる訳じゃ無いんだよ。
なんでそんなに悲しい音を立てるの？…俺に、言えないことがあるから？」


とても綺麗な音だった


でも細くて、今にも、崩れ落ちて行きそうな音


「俺のこと、ちょっとは意識してよ」


寄り添うようにAちゃんを包み込む。並じゃないんだ、君を想う気持ちは

言葉の魔法で君をそそのかす。


俺の心拍数がどんどん上がっていく


「…私、今日は帰るね」


気付いてやれなかったんだ
君が、本当は帰りたくなかったこと。


Aちゃんが嘘をついてるサインを、見落としていた


「…うん」

それなのに、俺は。

＿＿＿手放してしまった

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