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紫.》
目を覚ますと見慣れた寝室。
まだぼんやりとした意識の中、状況を整理する。
喧嘩して、外出て冷静になろうとしたら
雨降ってきて……それで…
思い出したかのように襲い掛かる頭痛。
身体は重力に抗うことも出来ず、ベッドに沈む。
ぐわんと揺れる視界。
動いてへんちゅうのに、なんやねん…
ただ自分の身体の悲鳴を受け入れるしかない。
周りを見渡すも、この最悪の状況を打開できるような
策なんて思い浮かびやしない。
次第にあの公園の苦しさが戻ってくる。
落ち着け、俺
また、まっさんに迷惑かけるなんて出来やんぞ
きゅっ、と締め付けるような胸の圧迫感。
鼓動は速くてうるさいぐらいに耳に響いてくる。
小「ふ…かは、っ…ふっ、はぁ…ひゅ…、」
このままベッドに居たら、死んでまう
ベッドからバタン、と落ちるように出て
這って扉へと近づく。
バタバタバタ
ガチャ
正「なになになに？！えげつない音したで今」
目をまん丸にして部屋に飛び込んできたまっさん。
視線を下に降ろし、その目はもっとまん丸。
正「うええ、怪我してへんか？？どしたんやな」
小「まっ、…さ…ひゅっ…ふ、あか、…しぬ」
正「死ぬ？！？！あかんよ死んだらあかん！！！
俺の声聞こえとる？？？意識飛ばさんでよ？！」
いや、なんでまっさんが一番パニックなん…
正「しんどいなあ、苦しいなあ…？？俺ここおるよ、」
焦りつつも、俺の髪をふわふわと撫でて眉を八の字に困らせながらこちらを覗き込む。
まっさんが来てくれたからか、
呼吸は徐々に落ち着きを取り戻す。
小「ごめ、も、大丈夫…」
正「別に急がんでええんよ、？」
急になんだか恥ずかしくなって、もたれかかった身体を無理やり起こす。
小「もうちょい寝たら治る、から…っ」
ベッドに戻ろうと勢いよく立ち上がった反動で
今までで一番の強烈な頭を締め付ける痛みが襲う。
間一髪、まっさんが俺の腰を支えてくれたおかげで
床に叩きつけられることは免れた。
正「そんなに俺に助けられるん嫌なん」
小「だって、俺が彼氏やもん」
正「意地張っても、もー無理やで」
くしゃっと笑い、おでこをつんと押す。
これで何人の女の子を落としてきたんやろうか……
罪な男や、無自覚め
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作者名：53 | 作成日時：2021年6月28日 23時
