翠《Aぇ！》 (ページ4)

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青.》

あ、コンビニで雨宿りとか…おらん。
公園も…おらん。商店街のアーケードとか…おらん。

少しずつ、心臓がきゅっと掴まれる。

このまま怒って帰ってこんかったらどうしよう。
暗くて事故に遭ってたらどうしよう。

ほぼ町をまわってしまい、考えを巡らせる。

他にこじけんが行くとこ……

一つだけ見落としていた。

その場所が浮かんだ瞬間、身体が勝手に走り出す。

そこは、帰り道に二人で何度か行っていた
坂の上街全体が見渡せるベンチだけがポツンと残された広場。

やっぱり。

正「なあ、びしょびしょやんか」

ベンチにもたれて夜景を見る背中はどこか小さくて、儚い

正「ごめん、俺なんも考えへんで言ってもうた
家帰ってしっかり話そう？」

潤んだ瞳が俺を捉える。

何故だか違和感。

小「まっさん、？」

潤んだ瞳に、真っ赤に染まった頬。
肩で息をするこじけん。

正「え、ちょっと待って、こじけん熱あるやろ」

小「わからへん…あたまいたい」

そういってベンチの前にしゃがむ俺に倒れ込む。

正「あっつ…もうここから動けへん？」

眉間に皺を寄せて、頭を押さえて小さく頷く。

正「雨止まへんっぽいし、一旦がんばって帰ろ？ほらおいで」

8㎝高いこじけんをなんとかおぶって、
ゆっくりと家へ歩みを進める。