341、小夜 ページ41
スパン！と突然襖が空いた
私の元に、泣きながら走ってきた
さっきお兄さんの元へ
送り届けたばかりの小夜くん。
「小夜くん？どうしたの？」
私の膝に抱きつき、
肩を揺らしながら泣く小夜。
ゆっくりその背中を撫でる
乱「何かあったの？」
コクリ頷く小夜
「ゆっくりでいいから、
落ち着いたら話せる？」
顔を上げて頷くと少し泣いてから、
ぽつりぽつり話し始めた、
小「兄さんが……酷い怪我で…
主に…治してもらおうって言ったら
主に会っちゃダメって…
会ったら折られるって…
兄さんに、
全然話聞いて貰えなかった…」
「そんなことが…
小夜ちゃん泣かすなんて
宗三さん許さない！
こうなったら宗三さんの元へ行こう！」
小「だめ！殺すって、
言ってたからダメ！」
「脅迫って事？」
骨「そうみたいだな…」
「大丈夫…
いずれ接触しなきゃ行けないんだから
今行っておこう！
怪我も心配だし……」
宗三さんもすぐに
どこか行ってしまったから
怪我をしてるなんて知らなかった…
乱「ボクも行くよ！あるじさん！」
「うん、ありがとう！
小夜ちゃん…」
ゆっくり私を見上げた小夜ちゃん
「宗三さんが
本当はすっごく優しい人だって
私は知ってるからね！
だから本当はお兄さんも
小夜ちゃん護る為に、
苦しんでるんだと思うんだ」
小「苦しんでる？」
「うん、
少なくとも迷わせてるのは私だから、
だから一緒にお兄さんを助けに行こう！」
涙を拭った小夜ちゃんは頷いた。
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作者名：赤いうさぎ | 作成日時：2020年10月1日 23時
