15、トラさん返却 ページ15
部屋を出ようとすると、
とたとたーっと
誰か兄の前へ走ってきて
焦った口調で
五「あ！主さん！！
すみません…
僕のトラ…
見かけませんでしたか？
また1匹いなくなってしまって…」
トラ？この子かな？
抱えているトラを見つめた
トラは？と言いたげな表情。
私はちょうど兄の後ろで
隠れるように立っていた。
兄がスっと退いて、
私をトラの飼い主の前に突き出した。
突然顔を見合せた
私と彼はフリーズ。
兄「ぷっ……トラの持ち主だ」
お兄ちゃんに笑われた気がするんだけど…
振り向きたい衝動を抑えて
「あ！…あの…その…はいっ！」
トラを優しく抱き直して
相手に渡すように腕を伸ばした、
「ごめんなさい…
お部屋に入って来たから。
可愛くて…
一緒に遊んじゃったんです、
ごめんなさい」
申し訳なさそうに相手を見ると
五虎退はほんのり微笑み。
五「あ、いえ！
ここに居たんですね、
良かったぁ。
トラが…
迷惑かけてすみませんでした」
「全然…すごくいい子でした！」
五「そうですか、良かった！
一緒に遊んでくれて
ありがとうございました……えっと…」
「…カナデ……ですっ！
よろしくお願いします！！」
急に恥ずかしくなって、
兄の背中に隠れた。
五虎退くんは？を浮かべている。
兄「すまない。かなりの人見知りで…
さっき言ってた、
審神者の見習いとして
しばらくここに居る事になった、
私の実の妹なんだ、
こんなんだが仲良くしてやってくれ」
五「へぇ…主さん
妹さんいらしたんですね！
とても可愛らしいです♪
改めて、僕は五虎退です。
虎がカナデさんを
気に入ったようです。、
また良かったら
遊んであげてください！
それじゃあ後で
あの…広間来ますよね？
よかったらご飯一緒に食べましょう？
お待ちしてますね♪」
駆け足で去って行った五虎退
すごく優しい子で安心した、
トラのおかげでお話ができたし！
1歩前進といったところか。
兄に頭を撫でられ
背中にしがみつきながら広間へ向かった、
大勢に会わなきゃ行けないのかぁ…
ひとみしりって辛い…
挨拶って緊張するし恥ずかしい……
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作者名：小桜華撫 | 作成日時：2020年4月24日 0時
