【ハイキュー】飛雄にとって、私は邪魔ですか？

20、不思議と恋 ページ20

幾度なく涙が頬を伝っていくのを感じる。

人の視線なんか全然気になんない。早く、答えを教えて。


影｢…っ……｣

そんな、なんで辛そうな顔するの。辛いのはこっちだよ。…酸素もろくに取り入れられない中叫んだんだから…

そのせいなのかな、視界がさっきより変。


貴｢…っ…ｹﾞﾎｯ…ｹﾞﾎｺﾞﾎｯ……｣

苦しい、苦しいよ。


何が、苦しいかわからなくなってきた。

山｢小柳さん！？｣
月｢…小柳！！っ影山ぁ！｣


ドアから入ってきた月島と山口が教室で起きている異変に気づいた。

月島が飛雄に飛び付いて私を、引き剥がした。


無様に床に打ち付けられた。呼吸が、出来ない。

ヤダ、嫌だ…怖い。怖いよ！


貴｢…っﾋｭｰｯｯ！……っｹﾞﾎｯ…ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…！｣


誰か、助けて。誰か！


山｢小柳さん！落ち着いて！焦っちゃだめ！｣

山口…？

視界の端で、飛雄を教室の外に連れていく月島の姿が見えた。


山｢ゆっくり吸って…あ、この袋使って。苦しいかもしれないけど……ゆっくり…

吸って……ゆっくり吐いて…吸って……吐いて……｣

山口の指示に従って…ゆっくり吸って吐いてを繰り返した。

背中を撫でてくれる山口の手に安心したようで、呼吸が整ってきた。


貴｢…あり、がとう……｣


教室には野次馬が群がっていた。その間を縫って、先生が来た。

先｢どうした！｣


…正直に言えば、もう飛雄は春高予選に間に合わなくなっちゃう。

不思議だな、こんなの。


貴｢…大したことでは、ないです……｣


こんな時でも、つい庇ってしまう。

不思議だな、恋って。

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