【ハイキュー】及川様は告らせたい

12、国見英は聞きたくない ページ12

昼休みの屋上にて…


及｢それでさ、有馬がもうニコォーって！もー、可愛い。なんなのあれ｣

国｢…何回同じこと言うんですか｣


及川と国見という、珍しい組み合わせである。

国見は現在、及川の愚痴…と言うよりかは、凜の可愛さ報告を聞いている。

何度も同じことを言う及川に呆れつつある。



国｢…そんなに好きなのに、なんで告白しないんですか……｣

及｢え？俺が？誰に｣

国｢有馬さん以外に誰がいるんですか｣





笑顔のまま固まった及川は、5秒後にものすごく焦りながら国見に言い訳を始めた。




及｢いやいやいやいや！

国見ちゃん何言ってんのさ！告白って言うのは、好きな人にするものでしょ？｣


及川の投げた特大ブーメランが及川の気付かないうちに刺さる。

国見は、ありえない。そんな目で見ていた。



国｢(⚭-⚭ )｣

及｢え、何その目！｣

国｢え、及川さんマジで言ってます？言ってるなら殴りますけど｣

及｢突然の暴力宣言！？｣


とうとう国見の口からため息がこぼれる。

当たり前だ。

実を言うと及川が国見に凜の可愛さ報告を始めたのは一年ほど前からである。


よく1年間も耐えた！誰か、国見を褒めるべきだ。


国｢…及川さん、完全に有馬さんのこと好きですよね｣


及｢な、何言ってんの国見ちゃん！？及川さんが有馬の事好きなわけないじゃん！

有馬が俺の事好きなの！｣


沈黙。

風の音だけが虚しく聞こえてきた。



国(ハァァァァァ？？

この人マジかよ。あれだけ可愛い可愛い言ってるのに好きって認めないとか。

変なプライド高すぎんだろ。そんなんだからいつまで経っても変化ないんだよ。1年間も同じ話聞いたら分かるわ。

進展ゼロじゃねーかよ。

つか、有馬さんが及川さんのこと好きって及川さん自分で思ってるのか。

もし違かったら悲しいやつだぞ。


駄目だ、この人の頭の中は理解出来ない)



及｢…国見ちゃん？｣

国｢及川さん、とりあえず○んで下さい｣

及｢なんで！？｣


国見は諦めた。

国｢…せめて、有馬さんの事大好きだって認めればいいのに…

そうすれば、あの頃の俺も吹っ切れると思うんだけどな｣



…この男も、密かに凜へ思いを寄せていた時期があった。

今は、凜の幸せを願っている。その為にも、国見は及川と凜をくっつけたかった。


及｢国見ちゃん！授業始まる！｣

誰のせいだよ…


そう思いながら、これから凜と過ごしていくであろう人の背中を見つめ、

優(かな)しく微笑んだ。

13、及川様はコスプレさせたい→←11、コスプレ喫茶をやってみたい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す