16、有馬様は理解したい ページ16
藤「有馬さん!休憩時間入って大丈夫ですよ!」
あれからせっせと働いていた凜。いつの間にか時間は経っていて、お昼となっていた。
貴「藤川さん。ありがとうございます。
…そう言えば、及川さんはどうなったのでしょうか……」
答えはドアを出てすぐにある。
様子を見ようとした凜が、ドアを開いた瞬間。
グンッ、と、凜の体が引かれた。
天「あ、逃げたー!」
誰かに手を引かれて、いつもの倍以上に賑わっている廊下を、全力疾走している凜。
貴(なんで…)
自分の腕を引いている人物に気がついた。
川「…っマジかよ!」
白「嘘だろ……!有馬さんから離れろ!
及川!!!」
少しイタズラな顔で、子供のようにあっかんべーをする及川と、
自分が愛してやまない人と、
自分は手を繋いでいるという事実に気が付いたのだ。
貴「おっ…おい、川さん!……そのっ!こ、これはぁ……/////」
顔を真っ赤にして、いつも以上の戸惑いを見せた。
及「もうちょっとだけ頑張って!今は、アイツらから離れるのが先!
うわ、アイツら追いかけてきてるし…!」
アイツら、とは、白布と川西の二人である。
及「有馬!スピード上げるから、ちゃんと着いてきてよね!」
振り返りざまに、ウインクをした及川に、鼓動が大きく鳴りだす。
同時に、自分の気持ちを…理解した。
貴(あぁ、私は……
及川さんが、好きなんですね…)
『好き』この言葉がすんなりと体に入ってきたような感覚になった凜。
繋いだ手からは温かさを感じた。
離れないように、離さないように……ギュッと、手を握り返した。
一瞬驚いた及川だか、握り返してくれた手を、離さないように、その存在を感じながらスピードを上げた。
散々走って逃げ着いた先は、
貴「何となく、ここに来る気はしてました。
木陰があって涼しいですし…」
及「…俺達しか、知らない場所だからね」
二人がいるのは、体育館裏の、1部。
入り方はこの二人にしかわからない、秘密基地。
貴「前に来た時は、まだ葉は青かったのですがね…
すっかり紅葉していますね」
及「そうだね…この桜の木は、春が一番好きなんだけどね」
真ん中に、大きな桜の木があるこの場所。
貴「ここに来ると、入学式の事を思い出します」
及「あの頃はまだ有馬キツかったんだよね〜」
大切な、思い出の場所。
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れいみぃ - なんか狂犬ちゃん可愛いですね!! (2020年2月1日 3時) (レス) id: e9e3a7151e (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜(プロフ) - 桜舞姫・蝶月姫さん» ……本当にごめんなさい。低脳の私は…忘れてしまったようです……ごめんなさい。でも、見てくれていることが分かって本当に嬉しいです。なんの作品見てくれたのか教えてくれると嬉しいです!本当にごめんなさい。返信くれたら嬉しいです!こんな私を見捨てないで下さい (2019年8月19日 0時) (レス) id: 3aa4f94975 (このIDを非表示/違反報告)
桜舞姫・蝶月姫(プロフ) - 私のこと覚えてますか?....なんか前もコレ聞いたような...(殴、とっても面白いですね!彼岸桜さんの作る作品大好きです!更新頑張ってください (2019年8月18日 18時) (レス) id: fcb098628f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸桜 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2019年6月23日 16時