月島の双子の姉は…5

過去編8 ページ9

貴｢ここが会場？｣

月｢そうみたい｣


確かに、中かが熱気が溢れ出てきている。

この場所で、お兄ちゃんは大好きなバレーをしてるんだ。


貴｢早く行こう｣


山｢ぁ…っ待ってAちゃん！｣

会場のドアを開けた。



更にはっきりと聞こえてきた歓声や応援。

山｢…烏野は……｣

月｢…あれだ｣


よく見えるところまで降りて行った。

貴｢…お兄ちゃんは……｣



コートの中を探した。





























……

…




なん、で……



明｢っ……｣

貴｢…｣



お兄ちゃんが、応援席にいるの？

なんで、バレーしてないの…？


何故だろうか。心の中にあった何かがバラバラに、ボロボロに砕け散っていくのを感じる。




お兄ちゃんが、今まで私達に嘘をついていた事。



それよりも……


いくら頑張っても、試合に出してもらえない事を知った。


どんなにバレーが好きで、他の人の何倍練習したって……

結局は、上手い人しか、試合に出れない。


こんなの、

バレーが下手なやつに、バレーをする資格はない。

そう言っているようにしか思えなかった。



反対側の応援席にいるお兄ちゃんに、蛍も気づいた。



この時、３人の時は止まった。



ショックを受けたような顔のお兄ちゃん。

呆然としている蛍。


…現実を知ってしまった、夢を諦めた顔の私。




月｢…かっこ悪い｣




この言葉が、響いた。

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