月島の双子の姉は…5

大切な話 ページ14

実｢…来ないね……｣

翼｢…遅いっすね……｣

貴｢…とっくに九時過ぎてるんだけど。何してんの那月｣


那月が来ない。いや、ほんとに遅いんだけど。

豊｢…先に始めよっか？｣


実桜さんも、翼咲も、瑞樹さんも、私もまちくたびれてしまった。

でも、


貴｢ごめんなさい、那月が来るまで待って貰えませんか？｣


実｢…え……｣

翼｢…Aさんが……那月さんを待つ…！？｣


貴｢…どうしても、みんなに話したいことあるから｣



少し寂しげな笑みを浮かべた瑞樹さんは私が言おうとしていることが何となく予想がついているのかもしれない。


しばらくして、いつものように、那月が遅れてきた。

那｢ごめんなさぁ〜い……！｣


貴｢いい加減にしなよね？

みんな待ちくたびれてたんだから｣




全員が集まったので、やっと本題に入れる。



貴｢大事な、話がある｣

突然そんなことを言い出した私に耳を傾ける皆。

翼｢…なんすか？｣


今から話すことは、みんなには初めて言うこと。

やっぱり少し怖いけど、覚悟は決めてきたはず。

過去を、解放するために……

貴｢………｣



駄目だ…！言いたいことたくさんあるのに…

怖くて…得体の知れない恐怖が私を…









翼｢私、昔は自分が大っ大っ大嫌いだったんスよ｣



翼咲が、口を開いた。

風波翼咲という人→←返事を

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す