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御館様はいつも通りの落ち着く声で言った。



「手紙を」


何の手紙なのかとみんなが注目している。女の子が手紙を開き、読み出した。




「こちらの手紙は元柱である鱗滝 左近次様から頂いたものです。一部抜粋して読み上げます。

炭治郎が鬼の妹と共にあることをどうかお許しください。禰豆子は強靭な精神力で人としての理性を保っています。

飢餓状態でも人を食わずそのまま二年以上の歳月が経過致しました。にわかには信じがたい状況ですが紛れもない事実です。もしも禰豆子が人に襲いかかった場合は竈門 炭治郎及び…




鱗滝左近次、冨岡義勇、龍影佳也が腹を斬ってお詫びいたします」



え、と思い横を向けば何故か佳也も分かってない顔してる……禰豆子が人食べたら佳也切腹するらしいけど……

まさか、冨岡さんの独断?



あ、独断だね。



(え、待って何。切腹って?え、ナニソレオイシイノ?








ちょっっっと待っってよ師範んんんん!!私なぁんにも聞いてないんですけどぉぉぉ!!知らない鬼のために私の命かかってんだけどこんちくしょー!!)


おぉ……荒れてる…真顔だけど。



でもさぁ、私ぶっちゃけ切腹するから何?って思ってるんだよね。言わないけどさ。




「…切腹するから何だと言うのか。死にたいなら勝手に死に腐れよ…!何の保証にもなりはしません」

「不死川の言う通りです!人を喰い殺せば取り返しがつかない!殺された人は戻らない!!」


同じ考えの人間はちゃんと居るんだね。
実弥さんと杏寿郎さんが、抗議の声を上げている。


それでも、御館様の表情はひとつも変わらない。穏やかな優しい顔。



「…人を襲わない保証はできない、証明もできない。

ただ、人を襲うという証明もまたできない」





御館様の言葉には心が通っていて、納得せざる得ないなぁ。実弥さんがまだ納得してないみたいだけど…


それにどうやら竈門炭治郎は鬼舞辻無惨に遭遇してるらしい。狙いは禰豆子だろう、と御館様は言っている。


掴んだ尻尾を離したくない、とも。



最後に分かってくれるかい?と御館様が聞いてくれた。肯定の返事をしかけたその時、




「分かりません御館様。人間なら生かしておいてもいいが鬼は駄目です!!」

実弥さんは最後まで反対するんだねぇ…


「え、何してんのあの人」


佳也の、有り得ない、とでも言うような声に視線を辿れば腕を日輪刀で斬り、血を出してそれを木箱の上に垂らしていた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 原作沿い , 彼岸桜&イム   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:彼岸桜&イム x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2019年11月6日 18時

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