世界一ワガママな男の元カノ【トリリオンゲーム】 (ページ8)

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「優勝は長いチーム名の二人です！」

あの後、巻き返したハルとその友達は順位を落とすことなく、見事優勝した。

どんな手を使って友達を奮い立たせたのかは知らないけど、とても素晴らしいパソコンスキルを持つ彼に少し興味が沸いた。

しかし、この時まさかの事態が起きた。

「すみません。え〜審議の結果、長いチーム名の二人は失格となりました。よって優勝は____」

絶対ハルが何かしでかしたと瞬時に察した。

・

『何をしでかしたら優勝を取り下げられるのかしら？』
「お〜A！」

失格したのに、逆に楽しそうなハルの様子を見て呆れる。

「面白かっただろ？」
『そうね。見事な逆転劇だったわ。あなたのお友達は凄く良い腕をお持ちのようで』

ハルの後ろから控えめに顔を出す彼の友達に視線を向ける。

『初めまして。私、花園Aと申します』
「は、初めまして。平学です…」

軽く自己紹介を交わし、どうやって形勢逆転をしたのか聞こうとした時だった。

「仲良くしてる所悪いが、少し良いか？」

後ろから聞こえた低い男性の声。振り返ると見覚えのある男性が立っていた。……確か彼は「祁答院ベンチャーキャピタル」の社長、祁答院一輝。

祁答院さんはハルと平君、二人を見据えてこう言った。

「俺がお前ら二人を買ってやる」

ハルと平君は顔を見合わせて頷き、嬉しそうに笑った。

「ってことでこいつら貰ってもいいか？

花園グループのお嬢さん」

『勿論。ただ、買うからにはしっかり首輪を付けて躾しておいた方がいいですよ』

ハルと視線が交わる。

「俺は首輪を付けられようが躾されようが関係ねぇ。

どんな手を使ってでも必ず1兆ドルを手に入れる。

俺とガク、二人のワガママは世界一だ」

そう言い残し、会場を出て行ったハル。

その友情がいつまでも続くといいけど……。