世界一ワガママな男の元カノ【トリリオンゲーム】 (ページ7)

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天王寺陽が私を訪れてから数日が経ったある日。

仕事終わり、車内で少しウトウトしていた私はスマホの着信音で目が覚めた。

『ハル？』

届いたのは元カレからのメッセージ。
でも、どうして私の連絡先を知っているのだろうか。

あ、そういえばこの前父と連絡先を交換したって……あのバカ親父勝手に私の連絡先を教えたわね。

父にイライラしながらも送られてきたメッセージを確認する。

内容は「面白いものが見れるので、是非お越しを〜」という一言と地図のURLだった。

『また何か企んでるわね』

はぁと溜め息が出る。…でも、見に行くだけなら問題ないか。

運転手に頼みハルがいる場所へと向かった。

・

『ここって確かドラゴンバンクが今イベントしてる所よね』

目の前の大きな建物を見上げ一人呟く。

「ドラゴンバンク丸ごと手に入れる」というハルの言葉を思い出す。……どんだけドラゴンバンクに執着してるのよ。

ハハッと呆れ笑いを零し建物の中へと入る。

・

どうやらパソコンを使ったゲームの大会が行われているらしく、観客席に着いた私は下にいる参加者を見た。

……いたいた。余裕ありげに堂々と立つ元カレの姿を発見。
どんなものかとスクリーンを見てみれば、

『最下位じゃない』

確実にハルが付けたと思われるふざけた長い名前のチームが他のチームから一方的に攻撃を受け散々な状況だった。

この前ハルが言ってた友達だと思われる男性はやる気をなくし完全に諦めている様子。

『ちっとも面白くないじゃない。来て損した』

観戦数分で席を立ち、帰ろうとしたその時だった。
会場全体に黄色い歓声が沸き起こる。

『！？』

スクリーンを振り返れば、ハルのチームがどんどん順位を上げて、一瞬で1位に。

『……面白くなってきたじゃない？』

私はもう一度席に着き、最後まで見届けることにした。