世界一ワガママな男の元カノ【トリリオンゲーム】 (ページ5)

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「まあまあ落ち着け」と私を宥める父。

「お前を訪ねて来たハル君に、たまたま用があってここのホテルにいた私が話し掛けたんだ。

そしたらもう意気投合してな！Aが帰ってくるまで一緒に部屋で待つことにしたんだよ」

連絡先も交換したと二人してスマホの画面を見せてくる
彼らは親子かと思う程息ピッタリ。

「さ、名残惜しいがAも帰ってきたことだし、後は若いお二人でごゆっくり」

ニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべた変態親父は林さんを連れて部屋を出て行った。

…静まり返った部屋。沈黙を破ったのは彼だった。

「二年ぶり？いや、一年ぶりか。去年ドラゴンバンクの面接会場で会ったよな」
『やっぱり私って気付いてたのね。…で、何の用？』

「一緒に1兆ドル稼ごうぜ！」

『……は？』

この男は何を言っているのだろうか……。

『それ本気で言ってる？』
「勿論本気」

いや、そんな笑顔で言われても……困惑した私は何も言えずただ元カレを見つめ返した。