世界一ワガママな男の元カノ【トリリオンゲーム】 (ページ13)

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ハルに連れられとあるビルの前に到着した。

「ハル君！」

ひょこっと建物の影から顔を出して手を振る平君。
そして、ハルの隣りにいる私を視界に捉えた途端、平君は目を見開いて驚いた。

「あ、あれ？花園さんどうして…？」
『それは私が聞きたい』
「も、もしかして無理やり連れてきたの！？」

頷くハルに「何してるのハル君！」と慌てて私にすみませんと謝る平君。

本当に謝って欲しいのは隣りでケラケラ笑ってる性格の悪い元カレなのだが。

「あ、あの〜…」

ハルを睨んでいると突然聞こえた女性の声。後ろを振り返ると一人の女性が立っていた。

「おはようございます！ハルさん！ガクさん！」

二人に丁寧にお辞儀しながら挨拶をする彼女。
彼女も私を視界に捉えると目を見開いて驚く。

「花園グループのご令嬢、花園Aさんですよね？」
『え、えぇ。私の事ご存知で？』
「はい！申し遅れました。高橋凜々と申します！」

勢いよくまたも丁寧なお辞儀をする高橋凜々さん。
彼女の勢いに圧倒されて少し後ずさる。

「さっき話してたうちの会社の学生社長でっす」
『彼女が？』
「よろしくお願いします！」
『よ、よろしく？』

何だろう……彼女の対応が硬すぎるせいかよろしくできる気がしない。