世界一ワガママな男の元カノ【トリリオンゲーム】 (ページ12)

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朝食を食べ終えた私は服を着替え、メイクもして出かける準備完了。因みにハルはソファーでずっとスマホを弄っている。

『私出掛けるから、帰って』
「…」

私を無視してスマホを弄るハル。
チラッと見えた画面には平君とのトークが表示されていた。

「…送信！よし、じゃあ行くか」
『は？え？』

私の腕を掴んで玄関に向かうハル。

「お二人とも、行ってらっしゃいませ」

小林さんに見送られ部屋を出た私達はエレベーターに乗る。

『ちょっと急に何なの？どこに連れて行く気？』
「内緒」
『はぁ？』

いたずらっ子みたいに笑う彼。いや、いたずらっ子なんて可愛いものじゃないわ。悪魔の笑みよ。

『…いつまで腕掴んでるつもり？』
「離したら逃げるだろ？」
『勿論。エレベーターのドアが開いた瞬間にね。

ていうか、腕掴まれるの結構痛いんだけど』

痛いと言えば離してくれるだろうと思ったが、「じゃあこうだな」と今度は手を握ってきた。

いや…そういうことじゃなくて……。

何を言っても彼は離してくれない。逃がしてくれない。もう諦めた。

さようなら、私の休日……。