Xマネ (ページ6)

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〝他言は異動するまでなるべく控えてほしい。〟

そう言われたけれど、
何も言わずに去るなんて
いくらなんでも後味が悪すぎる。

いつ、どう切り出すべきか。
彼らを待つ車の中で考えていた。

コンコン。

そう誰かが窓ガラスをたたく音が聞こえ
視線をそちらに向ければスンチョルの姿があった。

SC「Aヌナ」

真剣な顔つきで隣の助手席座ったスンチョルは何も言わず私にいつ買ってきたのか分からないコンビニの袋を渡した。

まさか1人で買いに行ったの？

SC「大丈夫、店員さんオジさんだったしファンの子もいなかったよ」

通じてしまうのは同じAB型だからだろうか。
ちゃんと食べてないでしょ、ヌナ。
と少し怒った顔でこちらを見た彼は
何かを見透かしたように言葉を続けた。

SC「ヌナ、異動するんだって？」

ありがとう、と伝えようとした口が固まる。

「スンチョラ、」

SC「チスヒョンから聞いたんだ」

そう言われて初めてキムチに口止めをするのを忘れていた事に気づく。
どうやら伝えてるのは統括リーダーであるスンチョルだけみたいだけど。

SC「本当はヌナの口から直接聞きたかったってのが正直な気持ちだけど…言うなって言われてたんでしょ？」

さすが。と言っていいのか分からないけど
長いことあの会社にいるスンチョルは理解が早かった。

体を私の方に向けてビニール袋を持っていない方の手をそっと握るスンチョルは悲しそうに笑った。

SC「いつまでなの？」

「あと1週間後」

SC「まじ？…急すぎるってそれは」

「うん、そうだよね」

SC「会社では会えるんだよね？」

どんどん力がこもる彼の手を握り返すことが出来ないのは彼が期待している答えを返すことができないからなのかもしれない。

不安そうに見つめるスンチョルに
2年半、プレディスから離れ
今度決まるproducex101のグループの
マネージメントをすることを伝えた。