私達、シャドウサイドに来ました！番外編 (ページ28)

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自然教室編Part17 ページ28

父「明日を楽しみに待っておれ！！ふはっはっはっ！！」

父上はそのまま笑いながら座敷牢から出ていった。
あの人はもういないのに、まだ私の頭の中では不快な笑い声が響いている。

蒾「黒咲姫…？」

蒾様が私の名を呼んだ。私は、今考えなければならないことを思い出した。

蒾様をここから逃さないといけない。

『お願いだから、逃げて頂戴っ！！』

私は廊下の柵にしがみつき、泣き声で言った。

『貴方までもいなくなってしまうのは嫌なのっ…』

そう___母上のように消えてほしくない____

蒾「いや、大丈夫だからね？泣かれても、、私は黒咲姫の母上のようにはならないから、安心してよ。」

やっぱり、この人(人と言っていいのかは分からないが)は私を見透かしている。

私はいつの間にか母上と蒾様を重ねていたかもしれない。

母上も、父上の策略によってこの世を去ってしまった。蒾様も、そのようにはなってほしくはない。

蒾「まぁ…私も本当はこうなったらすぐに逃げるけど…黒咲姫がいる以上はただ逃げるわけには行かない…」

何かを語りだした…？

蒾「あの悪人…少し懲らしめてやらないとね…」

蒾様が座敷牢の中で黒い笑みを浮かべていた。
逆に怖いというか…こんな状況の中でそんなことをする彼が少し可笑しくなってしまった。

『ふふっ…』

蒾「あー笑ったー！」

『こんな時に…っ不謹慎でした、、』

私はすぐに笑うのをやめて謝った。

蒾「いやーいいのいいのー！美人は笑ってた方がいいから！うん！すごく似合うよ！？」

蒾様がやけに褒めてくれるものだから私はまた笑ってしまった。

すると、蒾様が私の頭に手を軽く乗せた。
切ない表情のまま。

蒾「さぁー黒咲姫は早く寝なよ！うん！子どもなんだから！」

『…はい…？いや、蒾様にだけは子どもとは言われたくはありません…』

蒾様のいつもの冗談を聞いて安心したせいか、なぜか眠気が襲ってきた。

私はそのまま深い眠りにつく。

蒾「君にはそのまま笑っててほしい。」

どこから遠くでそう聞こえたのは、気のせいだろうか。