第３１話:讃える ページ31
「A！！」
走り去ろうとするAの腕を紅覇は掴みこちら側へと引き寄せる
「やだ…今は…」
「…せめて泣く時ぐらいは僕の腕の中で泣いてよ」
ギュッと抱きしめればAは涙を零し泣き崩れていた
しばらくして泣き止んだのか鼻を赤くしながらゆっくりと口を開ける
「さっきの続きで…太陽に家へ呼ばれて部屋に入って最初は漫画とか読んでたけど…
向こうがその気になったのか押し倒してきては服を脱がそうとしてきたの…
怖くなったあたしは隙をついて蹴りを入れて向け出したの
そのあと、お互い気まずくなって学校でもあんまり話さなくなった時、太陽がある女の子に告白されてたのよ
あいつは顔はいいし、身長あるし、空手してるしおまけに優しい…完璧な人だかモテるのよね
それをたまたま見た、あたしは影から覗いていると2人はキスをしてて…
カッとなったあたしはその場で殴り込み「別れる！」ってブチ切れちゃったんだ〜」
へへっと笑うAに紅覇は真剣な瞳で聞いてあげるがなんて声をかけたらいいのか分からなかった
「あいつは誤解だって言ってて、しばらくは静かだったけど…
９月になってから…ちょうどあたし達が別れた時にね」
静まり返る雰囲気の中、Aは笑い出しては場を和ませる
「なんて悪趣味なんだろうね！ほんと、あたしより性格悪い」
ニヤニヤとしながら前向きに考えるA
この時、紅覇は改めて何かを感じ取る
そうだ、Aはこういう人物だったんだ
辛いこと、悲しいこと、身の回りに起きようと前向きに捉え笑顔にする
今、1番辛いのはAなはずなのに…
紅覇に気を使ったのは笑顔を絶やさず場を和ませるAを紅覇は心の奥底から讃えていた
「凄いよ…A」
「何が？」
「ふふ…そういう所」
Aの頬を軽く触りそれに対し笑顔で首を傾げる
そんな姿も愛しいと思える紅覇はある意味重症だ
「あ」
「どうしたの？紅覇」
「二学期…と言えば…文化祭！！」
「文化祭！！」
今までなかった行事
高校生になって追加される超大事なイベント
「文化祭、文化祭！！」
「いぇーい！」
2人して子供のようにはしゃぎまくり『文化祭』という言葉を連呼しまくる
2人ではしゃぐ様子をたまたまアリババ達が見かけては動画を取られ『はしゃぐバカップル』とTwitterに載せられていた
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七海(プロフ) - ニャー吉さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2017年4月8日 0時) (
レス) id: 41ee5ebaa9 (このIDを非表示/違反報告)
ニャー吉 - 凄く面白かったです！！これからも頑張って下さい！！ (2017年4月7日 23時) (レス) id: 274ae07ce4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七海 x他2人 | 作成日時：2017年2月27日 1時
