第27話 ページ28
英智side
＿＿＿＿圧倒される。
その歌声に、彼本来の、あの蒼と金の瞳の美しさに。
圧倒的だった。その場にいる誰もが息を呑む、足を止める、そんなパフォーマンス。
決して立派とは言えないステージのはずなのに、その辺り一面は彼が立つだけで荘厳な雰囲気を讃え出す。
画面越し、頭の中で何度も描いた風景が今目の前に広がっている、
広がっている、のに。
｢(っ……目眩がするよ…僕は…嬉しい、しあわせ、そのはずなのに……
なんで君は、こんなこと……)｣
喜びと驚きと、幸福感と絶望感が入り乱れて、僕の思考はフリーズする。
だけどそれと同時に、やはり彼が愛おしいと、そう思った。
｢っ、英智くん!｣
｢……、つむぎ｣
ワンテンポ遅れて振り返ると、そこには冷や汗を浮かべたつむぎが目に入った。
この騒ぎに気づいて、駆けつけてくれたようだ
｢びっくりしました、急に校内放送から歌声が聴こえてきて……Aくんだったんですね…｣
｢……｣
｢でもどうして急にこんなことをしたんでしょう…?
間違いなく生徒会に、潰されてしまうのに｣
｢…! まさか……｣
｢英智くん?｣
僕は雑念を振り払うように瞼を伏せて、停止した思考を何とかして動かし始める。
何故彼はこんなことを。つむぎの言う通り、生徒会に制圧されるのが当然の末路なのに。
…でも、もしも。
もしもそれが狙いだとしたら?
瞬間、僕の脳内で"彼"の声が響いてきた
"英智くん、君のすることはただ一つだよ"
"君は皇帝で、僕は反逆者。さぁ、早く"
｢……Aくん…君は……｣
｢＿＿＿会長!｣
都合がいいのか悪いのか。
そこへ生徒会の役員が駆けつけてきた。
……指示を出さなければ。
｢…このライブは生徒会に認められていない、
つまり、"非公式"のドリフェス。校則違反。
……だから…｣
僕はゆっくりと上げて、真っ直ぐにステージに立つ彼を見た。
ふ、と彼と目が合って、こちらに向けて微笑んでくれたような、気がした。
…あぁ、僕は自ら、愛しい君に剣を突き立てるんだね。
これが、こんな、結末だなんて。
さようなら、僕の、＿＿＿
｢＿＿＿早急にドリフェスの中止を!｣
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作者(プロフ) - すみません手違いで以前頂いたコメントへの返信を消してしまいました、、すみませんでした…! (2017年5月22日 20時) (
レス) id: f51b0c6802 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 栗さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けるととてもやる気が出ます…!更新頑張ります (2017年5月21日 10時) (レス) id: f51b0c6802 (このIDを非表示/違反報告)
栗 - え…神ってる…え…やばい…まず設定からして最高すぎるし、えーちがめっちゃファンで言ったらヤンデレみたいなのらまじで最高です。神です天才なんですか天才すぎます。これからも頑張って下さい！！！！！続き楽しみにしてます！！！！ (2017年5月21日 4時) (レス) id: 057c14ed72 (このIDを非表示/違反報告)
英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 - そうかここが桃源郷か…(翻訳 とっても面白いです!!!更新待ってます♪) うん。どんな翻訳だよ… (2017年5月19日 15時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - この作品見た瞬間お気に入り登録しちゃいました！ storyが自分的に好きなので無理せずに更新頑張ってください (2017年5月18日 22時) (レス) id: 7d3153bea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2017年5月17日 23時
