『花瓶』CHEN ページ19
…
「はーい！マーガレット一丁！！」
君、ここはラーメン屋じゃないんだから！
その一丁ってやつ、言わなくていいんだよ！！
そう店長にまた怒られたのがキムジョンデ。
あはっ、すいませーん！の声がおっきくて、
笑うと眉毛があんなに困っちゃう、
私の好きな人。
「あははっ、また怒られちゃった。
Aちゃんこれでいい？」
目の前に差し出されたのは不格好な可愛い花束。
マーガレットの本数や色を選んだのは私だけれど
素敵な白の花束にとっても嬉しくなって。
「ありがとう、ジョンデくん。」
こうやってまた、嘘の花束を買いに来てしまう。
…
彼から受け取ったマーガレットは
食卓のテーブルの上に飾られることになった。
黒に近い飴色のテーブルに真っ白のそれは
とってもよく映えた。
「…きれい。」
ジョンデくんは私の大学時代の同級生だった。
同じ授業をとっていた訳ではないし、
特に話したこともなかった。
顔見知り、と表現するのがぴったりだと思う。
私とジョンデくんはなんとなくお互いの存在は知っているという程度で再会した。
ほんの少しだけ大人になった今。
ジョンデくんの明るい色のゆるゆるパーマは
いつの間にか落ち着いた黒色になっていた。
ジョンデくんは私のロングヘアがショートになったことに楽しそうに驚いていた。
顔見知り同士のあいだに流れる特有の気まずさが
ジョンデくんとはなんとなく心地がよかった。
「Aさん、ここの近くなの？」
「うん、あの空色のアパート。」
「え！偶然だね！
俺、その角の花屋で最近バイト始めたんだ。」
「へぇ、そうなんだ！
じゃあ今度行ってみようかなー。」
あ、いきなりなのに馴れ馴れしいか。
そう思った瞬間、大きな声は明るくそれを遮ってくれて。
「まじ！？絶対来てね！友達サービスするから！」
「…あははっ！
新入りなのに友達サービスできる花屋なの？」
ジョンデくんの明るい優しさは
驚くほどに私の心を柔らかくした。
まるでとっても仲良しだったみたいに私はとっても素直に笑った。
そして、分かれ道。
彼がばいばーい！とよく通る声で手を振ってくれたのを見て、私は恋に落ちた。
ああ、今好きになっちゃったって。
そう思って嬉しかったの。
…
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ねこたん(プロフ) - 初めまして！コメント失礼します！このお話読ませてもらってます✨応援してます！ (2021年11月11日 20時) (
レス) @page6 id: d1f46be94a (このIDを非表示/違反報告)
myuu.(プロフ) - 情景が頭に浮かんでほんときゅんきゅんしながら読ませていただきました！ミンソクさんのお話だいすきです。。。続き楽しみに待ってます\ / (2018年4月27日 0時) (レス) id: c71548e679 (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - まどさん» 私もギョンスペンなんです！だからちょっとギョンスの回、力入ってます(笑)そんなふうに喜んでもらえて良かったです！コメントをパワーに頑張ります！ (2018年3月8日 0時) (レス) id: 1af2ef9880 (このIDを非表示/違反報告)
まど - すっごく面白いです！メンバーそれぞれの色が違ってめっちゃきゅんとします。。。！ギョンスペンなのでギョンスの回では素敵すぎて叫びました笑更新頑張ってください！ (2018年3月7日 19時) (レス) id: 348d09fd4a (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - ヨルヨルさん» はじめまして！うわーありがとうございます！お察しの通り短編とか言いつつ、まとめて長編って感じの作品になってます(笑)更新頑張ります！ (2018年3月7日 0時) (レス) id: 1af2ef9880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きら | 作成日時：2018年2月27日 0時
