今日から嫁、始めます【オリジナル・男主】

嫁13 ページ17

ようやく、ヒートが終わって自由に出歩けるようになった。

ただただ辛かっただけのヒートが、こんなにももどかしかった事があっただろうか。

早く、早く、薫様に会いたい。

夜になれば、会える。日が沈むのが待ち遠しい。

10時まで、あと、2時間。

燐と雪は外に出てる。おかげで1人で、暇。

何をしようにも、1人じゃつまらないし、できない。

……じゃあ、薫様に会う準備でもしようかな。今までは、適当な服を着て、適当にあしらってたから。

今度はちゃんと支度しよう。

どの服がいいかな、色は？赤、青、緑、桃色、紫、わっちのために薫様はこんなにも用意してくれてたのに、何一つ分かってなかった。

分かろうとしなかった。

それにしても、薫様の好みがよくわからない。どんで服で、仕草で？

薫様を、もっと知りたい。


雪「あら、珍しいのね。支度をするなんて」

燐「ホントだ！心変わりでもした？」


雪と燐が帰ってきた。もうよく分からないから手伝ってもらおう。

わっちよりも付き合いが長いんだから、悔しいけど、きっと色々知ってる。


貴「……うん。だから、その、手伝って欲しいの……」

雪「照れなくてもいいのに、顔、真っ赤よ？」


分かってる。だって、あれだけ絆されないとか言っておきながら見事に、惚れちゃったんだもん。

恥ずかしいよ……！

だから、今まで意地張ってた分少しでも可愛く見られたい。

愛おしいと、思われたい


貴「あのね、薫様のこと教えて欲しいの……今日はきちんとお出迎えしたいからっ」


今夜、薫様に伝えるって決めたんだ。

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