壊れた ページ22
拓「……」
奨「お姉さん、出ない？」
拓「はい……さすがに仕事は終わっとると思うんやけど…折り返しもないし、出たくない気分やったんかな？」
景「拓実ほんまにシスコンよなあ。そんなお姉ちゃんと電話する？？」
拓「しますよ！お姉ちゃん一人暮らしやし、俺のこと大好きやから」
ﾋｿﾋｿ
「え、別れた！？それマジのやつ？？」
「女子が聞いたらしい…」
「じゃあ可能性あるかな！？」
「川西さん、川西さん！」
『！はい』
「顔色悪いよ、今日はもう帰って休んで…」
『…すみません、お言葉に甘えさせていただきます』
「うん、気をつけてね」
帰ったところで、休まるはずがない
……未来が、あると思ってた
…吐きそう……
帰ったらとりあえず拓実に連絡返さないと…
【ずっと弟と仕事ばっかやって…！！！】
……それも、後でいいか
「川西さんさぁ〜」
ﾋﾞｸｯ『！』
「彼氏に捨てられたって噂ホントなのかな？？」
「えーでもほんとだったらおもろくない？あんな完璧そうなのに！」
「まぁでも人に媚び売る感じはあったよねー」
そんなこと、ない
ずっと全力だった
「正直あんまり好きじゃなかったけど、結婚してくれるならみんなあの人のこと諦めてくれるって思ったのに。何してんのって感じ」
『…っはぁ……はぁ……』
何で、私ばっかり
みんな、笑顔で話しかけてくれてたのに
みんな、信じてたのに
ﾊﾞﾝｯ「「！？」」
「え、あ……か、川西さん…？」
「…っい、今のは別の…そ、そう！他に知り合いに川西さんがいて！！」
『……手、洗っていい？』
「「ど…どうぞ……」」
怖い
「お疲れ様でーす」
怖い
「か、川西さん顔色が…」
もう、無理
私はあの時、壊れてしまったんだ
ﾌﾟﾙﾙｯﾌﾟﾙﾙｯ
拓「！もしもし、お兄ちゃん？？珍しいやん！」
《…拓実、しばらくAに連絡せんように》
拓「え、何で？…忙しいんかな？？最近確かにお姉ちゃん電話も出てくれんしメッセージも…」
《A、仕事辞めて帰ってきた》
拓「…………え？」
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作者名：はるさめ | 作成日時：2024年3月21日 15時
