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『それは、あんたの意見でしょ?

Aはそうは思ってない。

自分の考えが、そのままAの考えだと思わないで。

憶測でものを言うのも大概にしなさい!』


『じゃあAに聞くよ。

Aは、お母さんと2人で暮らしてどうだったの?

このままずーっと2人で暮らせるの?』


「それは…」


『あら、何かママに言いたいことでもあるの?

文句?不満?愚痴?

この期に及んで、良い度胸してるわねぇ』




板挟みに合うと、更に何も言えなくなる。

そんな弱い自分が、つくづく嫌になる。

お姉ちゃんの肩を持ちたい。

だって、私の本音はこっちだから。

でも、そんなことしたら…

お母さんは激昂して、私に怒りの刃を向けてくるだろう。

耐えられるかと聞かれたら、即答出来ない。

自分と自分のせめぎ合い。

ウジウジしてる自分は、もっと嫌いだ。




『ずっとそうやって、Aのことを追い詰めて来たんだね。

これ以上、Aを傷つけないで。

お母さんは、今すぐ神奈川に帰って!

今日からAは、この家で私と暮らす!

名義は明日変えてくるから、早くお母さんは出てって!』


『あんた、何言って…』


『もう理屈で何言っても無駄でしょ!

力尽くでも追い出すから!

お父さんに連絡して迎えに来てもらおうか?』


『…何なの!この娘達は!

いいよ、ママのことなんか必要ないんでしょ!

もう要らないってことなんでしょ!

最低最悪の姉妹だね、あんた達!』


『あなたがそう育てちゃったんだから、仕方ないでしょう?

分かったなら、さっさと出てって!

この鍵も二度と持たないで!

Aにも、今後一切責め立てるようなこと言わないで!

私に言い返されるから、どうせAに攻撃するんだろうけど。

そんなことしても無駄だから!

誹謗中傷、名誉毀損で訴えてもいいんだからね?』


『ほんと…あんたって最低。

やっぱり見損なったわ、こんなの私の娘じゃない。

2人まとめて、どうぞ勝手に暮らしたら?

私はあんた達のこと、娘だなんて思ってないから』


『あっそ、どうぞご自由に。

早く荷物まとめて出てって!』




お姉ちゃんが、力任せにママを家から出すことに成功した。

家の鍵も鍵束から引き抜いて、手元にあるママの私物をぶん投げた。

口をパクパクさせて、怒りと動揺を隠せないママ。

お姉ちゃんは、睨んだ目線を下げようともしない。

やっぱり、お姉ちゃんは強い。

私はいつまで経っても、何にも変われない空っぽな人間だ。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年4月9日 18時

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