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「そんな…」


『次は直接、お母さんと戦う。

もう二度と、同じ間違いはしないから』


「戦うってどうやって…っていうか、何のために…?」


『Aのために決まってるでしょ。

ほんっと、お母さんは何も分かってない。

分かった上でやってるなら、性格悪すぎ。

私が許せないから戦うの。

Aは気にしなくていいし、気を揉まなくていいからね』


「え、いや…」




私の方が、流れを掴めていなかった。

お姉ちゃんが勢いで話した内容を、目をパチクリしながら聞くばかりで。

でも、また何かが起こりそうということは分かった。

お姉ちゃんが私のために戦うということ。

これは、一波乱ありそうだ。

危険を察知したのも束の間、すぐにママが後に続いた。

かなり上機嫌だ。

私の背筋が、ピシッと正された。




『ただいまぁ』


「ママ、おかえり…」


『あ、起きてたの、おはよう』


「うん、おはよう。

お姉ちゃん、帰って来てたんだ」


『そう、帰国するって連絡貰ってたから。

朝イチの便って言うから、迎え行ってたの。

A、寝てたし悪いかなって思って起こさなかったんだけど』


「いや、まぁ全然大丈夫なんだけど…

ただ、聞いてなかったからびっくりしちゃって」


『あら、Aには何の連絡もなかったの?』


「うん、まぁ…」


『あらそう、やっぱりなんやかんや親なのねぇ…

ママはてっきり、Aも知ってるもんだと思ってたよ』


「いや、知らなかった…

だってしばらく会ってなかったし…」


『確かにAは、久しぶりだもんね。

ママはちょくちょく、ビデオ電話してたんだけどね。

でも、ママも直接お姉ちゃんに会えて嬉しい〜

この日をずーっと待ってたんだからね!』


「えっ…?」


『Aも、楽しみにしてたでしょう?』


「いや……うんまぁ」


『なんだ、その程度のリアクションなの?

こんな久々の再会なのに、薄情な妹ねぇ』




薄情はどっちだ。

あれほど、仲悪かったのに…

ママはお姉ちゃんのこと、認めないって毛嫌いしてたはずなのに。

なんで、こんなに好意的になってるの?

私がアイドル続けてるのが気に入らないから?

もう、私のことは見てくれないの?

お姉ちゃんを前にしたママのあまりの機嫌の良さに、ゾワッと鳥肌が立った。

私といたんじゃ、絶対に見せてくれない顔。

つい、数年前までは私が独占してたのに。

あっさり、帰国したお姉ちゃんに取られてしまった。

靄のように胸の奥が燻った。

激戦に凍てついて→←戦いは、あまりに突然だ



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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年4月9日 18時

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