桜の花びらに手を振って ページ18
高橋side
横山「Aありがとう〜」
高橋「うぅ…」
横山「たかみなさん、泣いてるけど…笑」
高橋「これは誰でも泣くやろがーい…」
「もらい泣きしちゃうので止めてください〜っ」
横山「涙の連鎖が止まりませんけど…
良かったですね、Aのメッセージ」
高橋「もうほんと…おっきくなったなぁ」
卒コンのラスト、1人1人からメッセージをもらうコーナー。
今まで堪えてたんだけど、Aの言葉で涙腺が崩壊した。
コンサートでの決意に満ちた顔、清々しくアイドルしてる表情。
そして、さっきの言葉。
努力は必ず報われると知った。
その無敵さはAを見てるとよく分かる。
周りの人に、そんなの綺麗事だとバカにされたこともある。
自分でも、報われない努力もあると気づいてる。
それでも、この言葉を真っ直ぐに信じてくれた。
そして証明してくれた。
自分自身で努力を続け、目標を達成することで。
結果を出して、私の言葉を体現してくれた。
嬉しくて愛おしくて、胸がいっぱいにならないはずない。
横山「たかみなさんはね、Aのことずっと気にかけてましたもんね」
高橋「うん、やっぱり1人でAKBに来たわけだからさ。
それこそ、デビューしてすぐって形で。
最年少だし、まだ小学生だったし。
不安いっぱいで右も左も分からずに、めちゃくちゃ怖かったと思う。
だからせめてね、アイドルって楽しいって思って欲しかったんだよね」
横山「最初が怖いと、こういう世界なんやって思っちゃいますもんね。
しかも、何にもされなくても怖いやないですか。
アウェイな場所に1人で行くって。
全然そんな…私たちが受け入れないとかじゃなかったけど…
でも、1人で来るってなったら、うちやったら怖くて気絶しますもん笑」
高橋「私も多分そうなる笑
気丈に挨拶しただけでも、十分立派だったんだけどね。
選抜入ったり、公演曲全部覚えたり、大変だったと思う。
並大抵の気持ちじゃ出来ないもん」
「どこかで夢見ていた世界だったので…
広い世界に出て羽ばたくことっていうのが。
AKBさんと兼任させてもらって、こんなにアイドルって楽しいんだって思いました」
初めて会った時から、彼女は一味違った。
不安そうな表情の中にも、しっかりと芯があった。
ここで頑張りたいっていう情熱を感じた。
この場所で頑張るという覚悟も決まっていた。
そうじゃなかったら、とっくに投げ出してしまうような状況だったのだから。
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2023年4月9日 18時
