・ ページ15
珠理奈「えー、何でですか？」
高橋「そりゃあ、2人がセンターだからだよ。
秋元先生に、逸材って言われてオーディショントップ通過した2人。
似てるんだよねぇ、どことなく。
境遇もそうだし、性格も似てるとこあると思う。
1人でも出来ちゃうからさ、その分孤独になると思う。
でも、1人じゃないんだよ。
同じ気持ち、分かってくれる人いるからね。
それを知って欲しくて、2人をセンターで組ませた」
「えっ…」
珠理奈「確かにAは、後輩っていうより同志っぽいです。
いやまぁ、可愛い後輩であることに変わりはないんですけど。
それ以上に、自分の感情を理解してくれる存在っていうか…
昔の自分と似てて、思いを馳せちゃうことあります」
「確かに…私も珠理奈さんに相談すること多いです。
何となく、他のメンバーさんに相談するのが恐れ多い内容の時とか。
乃木坂メンバーには話せないことも、珠理奈さんになら話せちゃう。
そんな経験、多いかもしれないです」
高橋「せやろせやろ？
何となく、2人見てれば分かるんよ。
付き合い長いし、これでも一応総監督やしね」
あまりにも素敵なこと言ってくれるから、不覚にもうるっときてしまった…
最近、たかみなさんは良く面と向かって言葉を届けてくれる。
多分、全部伝えたらいなくなっちゃうんだろうな。
今までなら、聞きたくないって思ってた。
でも今は違う。
高い壁を乗り越えたら、それは自分を守る岩になる。
全部聞いて、それを心のクッションにしようと思えてる自分がいる。
こうやって、自分の気持ちを理解してくれる人が傍にいること。
たかみなさんから貰ったお守りは、今後の私の盾になり得るだろう。
「たかみなさん」
高橋「んー？」
「見ててください」
珠理奈「私たちのこと、見ててください」
高橋「見てるよ、ずっと見てる。
頑張ってるとこ、これからも見てるから。
だから、真っ直ぐに真面目に頑張りな。
ひたむきに努力するのは、恥ずかしくないよ。
誰でも出来るけど難しい、素敵なことなんだよ。
周りがどうとか、そんなの関係ないから。
2人が納得いく方法で、納得いく場所まで走れば良いんよ」
真っ直ぐひたむきに、10年間走ってきた人からの言葉。
誰よりも、努力が報われることを信じている。
それは、自分が努力を重ねて結果を出し続けてきたから。
そして、その結果が清々しいものだと知ってるから。
改めて、その小さな背中に頭を下げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 316人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろりんご。
| 作成日時：2023年4月9日 18時
