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そこに立つ重圧 ページ1

レッスン室に入ると、オーラが違っていた。

ズラりと並んで談笑する、OGメンバーさん。

テレビの中の人だ。

レジェンドと呼ばれることに納得しかない。

神々しい空気感に、萎縮した。




『自分のポジション、分からなくなった人は紙見に来てね』




なかなか、自分のポジションに進めないでいた。

周りはどんどん、自分の場所に歩いて行くのに。

私は、未だにさや姉と珠理奈さんと、手を繋いだまま。

お2人が手を引いてくれても、俯いたまま。

はじめの一歩が、踏み出せなかった。




山本「大丈夫よ、怖がらなくても」


珠理奈「みんな支えてくれる、私の時もそうだったから大丈夫」


「…スーハー」


山本「よし、強い子や」


珠理奈「ここからは自分で行ける?」


「はい…」




たった数メートルなのに、手と足が一緒に出そうだった。

みんなの視線が私に刺さる。

乃木坂でセンターをやった時とは、全然違っていた。

それでも、真ん中は空いたままだ。

お2人に優しく励ましてもらって、深呼吸を一つ。

意を決して、足を踏み出した。

まっすぐに前だけを見つめて、私は0番に歩みを進めた。




『はい…これで全員揃いました。

今回は、白橋Aがセンターを務めます。

そして、OGメンバーにも参加してもらいます!

10周年をお祝いするシングルです、みんなで盛り上げていきましょう!』




私の真横には、前田さんと優子さん。

今まで、このお2人の横で踊った後輩は、珠理奈さんしかいない。

私に、そんな場所…

多分…いや、絶対に務まらない。

前を向いていたのは、覚悟を決めたからじゃない。

怖くて、前以外向けなかったのだ。

後ろから、横から刺さる全ての視線が怖かった。




:




前田「Aちゃぁん」


大島「A〜っ!」


「…っ」


前田「どしたぁ、緊張しちゃった?」


大島「泣かなくても大丈夫よぉ」


「むりです…

私にセンターなんてできません…っ」


大島「出来なかったら選ばれないんだよ〜笑」


前田「私でも出来たんだから、Aちゃんなんて余裕だよ〜笑」


「ふぇ…ヒックヒック」


前田「泣いちゃった…笑

どうしよ、優ちゃんどうする?」


大島「Aちゃ〜ん、怖くなっちゃったのぉ」




振り入れの準備をするため、一度自由時間になった。

私のセンターが発表されて、1番熱い視線を感じた両隣。

すぐに大好きな声で名前を呼ばれて、堪えていた糸が切れた。

不安と緊張と戸惑いで、涙が止まりません…

気負わなくていいよ→



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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年3月28日 18時

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