自分の聲を聞いてみて ページ25
「珠理奈さん、速すぎです〜笑」
珠理奈「えーごめんて笑」
「そんな速く走れないので、もうちょい手加減してください〜」
宮脇「ほんとに珠理奈さん速すぎですよ笑」
珠理奈「分かった分かった！笑」
「私、珠理奈さんより速く走らなきゃいけないんですよね？」
『よろしくお願いします笑』
「どんなに頑張っても、50m走で8.5秒は切れないんですけど笑」
『それでも速い方だけどね、珠理奈が速すぎだね笑』
「ほらぁ！」
たかみなさんの卒業シングルのMV撮影。
すっかり気持ちも切り替わって、撮影に臨んでます。
今回は、たかみなさんのリーダーという役柄を生かしたストーリー仕立てのMV。
私は、たかみなさんが去った後の陸上部に現れた次世代エースって役柄です。
高校を舞台にした曲だけど、私は次入学してくる現在中学3年生って設定。
推薦で入学してきて、入部前に練習に混ぜてもらってるんだ。
珠理奈さんと咲良ちゃんと、50mダッシュを繰り返してるけど、珠理奈さんが速すぎて追いつけません笑
:
高橋「はい、これはA」
「開けたくないなぁ…」
高橋「開けてーや笑」
「だってぇ…泣いちゃうもん」
高橋「泣かないように頑張って笑」
「たかみなさんに言われたくないですー笑」
そして、MVの終盤にはたかみなさんからのメッセージがある。
一緒に撮った写真の裏に、一人一人に宛てて書いてくれたんだって。
MVの役柄とリンクしてるようで、本人に向けて書いたって言われた。
もう、撮影前から泣く確定じゃんね。
:
＿＿Aへ
類まれなる才能から、ずっとエースと言われて来たね。
誰もが羨む人だからこそ、様々な声が届いたことでしょう。
悩んだり葛藤したり、傷ついたり落ち込んだり…
普段みんなに見せている笑顔以外にも、たくさんの姿を見てきました。
Aは、そういう感情を1人で抱えてしまう。
人に見せたら周りが嫌な気持ちになるから、自分で何とかしよう。
そう考えられる謙虚な姿は、Aの強くて優しいところ。
けど、それだとAが辛いよね。
これからは、もっと周りを頼って甘えて、ジタバタしていいんだよ。
誰も、そんなAを嫌だなって思わないから。
Aが大切にすべきなのは、どんなAでも受け入れてくれる人。
そして、自分の聲です。
たまには、周りより自分の感情を優先させてみて下さい。
きっと、今よりもっと魅力的なAに出会えるよ。
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2023年3月18日 10時
