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橋本「私から言わせてもらえばね…?

Aのお母さんは散々、保護者だ養育の権利だ常識だって言うでしょ?

でも、もし本当にAのことを思うなら、この選択をすんなり受け入れるべきだった。

Aじゃなくて、お母さんがAの分の生活費を私に払うべき。

そもそも、こうなってること自体がおかしいんだけどさ…

けど、常識ってそういうことだよ。

子供を養育する、保護する権利ってそういうことだと思う。

無理やり連れてかれたって言うかもしれないけど、その原因を考えて?

何にもなかったら、私たちだってこんなことしないよ」




こういうのを、人は正論と呼ぶのだろう。

第三者だからかもしれないけど、反論の余地がないほどに真っ当な意見だ。

ママの主張は、正論でも常識でもない。

自分勝手に歪められた理想だ。

だから、一般論として認められない。

私にも、周りにも響かない。




「そう…だよね」


橋本「ごめんね、Aが悪いわけじゃないのに。

いつか言わなきゃって思ってたの。

Aのお母さんの言うことも、根本は間違ってないんだと思う。

誰だって、自分の娘が幼いうちから離れて暮らすのは不安だし。

だから一緒に暮らしてサポートしたいって思うのは、さほどおかしくないと思う。

そこはまぁ、100歩譲って理解する。

けど、Aのお母さんがやってることはサポートって言えるのかな?

子供のやってることを認めて、心から応援する。

その上で、子供がやりたいことに打ち込めるように、周りの環境を整える。

これをサポートって言うんだと思う。

Aのお母さんは、自分の理想に合わせてAをコントロールしてるように感じる。

だから、思い通りにいかないと怒るし、キツく当たるんだと思う」


「うん……でも、たまに褒めてくれるのは…?

それも、ママ自身のためなの?」


橋本「こんなこと言ったら、Aは傷つくかもしれないけど…

たまに褒めるのは、自分の子供が認められたからだと思うよ。

私が育てた子が世間に認められた。

嬉しいのはその事実だけだと思う。

だから、Aのことを存在丸ごと褒めないんだと思うよ」




真剣なななみんの眼差し。

あまりに論理的なそれに、私は目が覚めた気がした。

同時に、その先を聞くのが怖かった。

1人で抱えれば良いと隠していたものを、人に知られてしまった。

私は、これからその人とどのように接すれば良いのだろうか。

そこまでの対策は、考えていなかった。

・→←言うべき時が来たから



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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年3月18日 10時

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