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桜井「A〜、お疲れぇ」
「れーかちゃん、お疲れ」
桜井「体調大丈夫そ？」
「うん、今日は調子良い」
若月「撮影中も、自然な笑顔が見られて安心したよ」
「うん、普通に楽しめたよ〜」
秋元「いい曲といいMVだから、楽しめちゃうよねぇ」
「今誰、めちゃくちゃいい曲だよね」
MV撮影は、順調に進んでいた。
1期生だけで構成された選抜だけあって、安心しきった空気感とわちゃわちゃした雰囲気。
初期の頃のような女子校のクラス感が漂っていた。
みんなで踊ってる姿がそのままMVになるから、練習と撮影の狭間で楽しめた。
私もいつも通り楽しんでる。
女子校カルテットの3人が、気にかけて声掛けに来てくれた。
3人の空気感、やっぱり好きだなぁ…
桜井「私、この曲でAをセンターにしたかった今野さんの気持ち、分かるなぁ」
秋元「うん、Aの曲だ！って思ったもん」
「ほんと？」
桜井「歌詞がもう、A宛てのメッセージって感じ。
初期の頃の私たちに向けてるなぁって、ちょっと思うよね」
秋元「ブランコとシーソーで関係性を表すなんて、ほんと天才だと思ったよ」
「そうだね、私もデモ聞いた時天才って思ったよ笑
センターやって欲しいって言われた時、ほんとは嬉しかったもん。
こんな素敵な曲の真ん中を、任せたいと思ってもらえたんだって」
若月「でも、Aがセンターを断った理由も分かるよ。
きっと、Aも気づいてたんじゃない？
自分に宛てた曲っぽいなってことに。
けど、自分宛だからこそ、主人公になる勇気が出なかったんじゃないかな」
「うん、そう…
でも、私は主人公みたいになれないから。
大勢に本当の私を知られるくらいなら、1人でいい。
怖いから、あの子変だよねって思われるの。
何となく、学校ではそう思われてるから。
いじめられてるわけでも、ハブかれてるわけでもないけど。
ママが前に出てきて、みんな何も言えなくなる。
曖昧な距離感でいいって、私が1歩踏み出せないから。
だから、センターは断った」
桜井「それでもいいんだよ、AはAだから。
ただ、この曲ではAの背中を押す。
私たちからのプレゼントみたいなものだよ」
秋元「逆に、センターじゃなくて良かったのかもね。
センター2人でAに届けるって感じがするからさ」
私には勿体なさすぎるくらい、素敵な仲間だ。
君とだったらシーソー乗ってみよう。
この意味が、今とてもよく分かる。
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2023年3月18日 10時
