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自由と引き換えに ページ14

『まーたAKBの仕事行くの?』


「AKBさんの方がライブ多いんだから、仕方ないでしょ」


『そんなに好きなら、AKBに行っちゃえばいいのに』


「そうじゃないよ、お仕事だもん」


『仕事仕事って、偉そうに。

ママが正社員じゃないからってバカにしてるでしょ』


「そんなつもりないよ」


『はぁ…もう、勝手にしたら?』


「…」




2015年初の大きな仕事。

AKBさんのリクエストアワー本番。

今年もまた、かなりの曲数が増えた。

だからこそ、リハ期間も長くて。

新年明けてから、ほとんどをAKBさんで過ごしていた。

それが気に入らないらしい。

何かと理由をつけて、突っかかってくる。

乃木坂にいる私が、そもそも気に食わないのだ。




『あんたがその気なら、ママはもう手伝ってあげないからね』


「うん…」


『あっ、そう。

本当にそれでいいんだね?』


「だって…乃木坂辞めたくないもん」


『そこまでして、何守りたいの?』


「乃木坂が好きなの。

みんなが私のこと嫌いでも、私は好きなの」


『ふんっ…バカみたい』


「そうかもしれないけど…」


『じゃあもう、好きにしたら?

お金だって身の回りのことだって、ママが管理してあげてるんだからね。

さぁ、ママがいなくてどこまで1人でできるかな』


「…行ってきます」


『うっわ、感じ悪!何それ!』




玄関を出ても、やんや言っている。

走って車に乗り込んだ。

もう、無抵抗だった。

何も感じない。

心の温度が冷めきっていた。

この場だけ、とりあえず凌げばいい。

さっさと現場に行ってしまおう。




:




『ねぇ、A?』


「んー?」


『最近さ、ちゃんとご飯食べてる?』


「…うん、食べてるよ」


『お母さんのお弁当は?』


「あー、あれね、廃止になったの。

私がママのこと怒らせたから。

ママの助けは借りずにアイドルやる。

これが、乃木坂続ける条件だから」


『嘘でしょ…』


「嘘じゃないよ、私も同意した」


『助けは借りないってどこまでのつもり?』


「お金も、身の回りのことも。

これからは、自分のことは全部自分でやる。

アイドル続けるためには、それしかない」




これ以上は、何も言わせない。

そんな視線を使ってしまってごめんなさい。

でも、私が出来ることはこれだけ。

交わしてしまった約束を守ること。

おかしいのは分かってる。

けど、これは我が家のルールだから。

守らなければ、自由は得られない。

私だって、生きられない。

もう既に堕ちている→←・



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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年2月23日 17時

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