夢の足跡 12

心が揺さぶられる日々 ページ10

希望的リフレインのフライヤー撮影。

今日は珍しく、全員集まってのお仕事だ。

麻友さんと生駒ちゃんと、息ぴったりで収録を終えた。

これで仕事は終わりなんだけど、何やら話があるらしい。

3人まとめて、しのぶさんに呼び出された。

隣のスタジオに椅子が用意されてて、何だか物々しい雰囲気…




「え、なに…」


『3人ともお疲れのとこ悪いんだけど、ちょっといいかな？』


渡辺「えー、なんの話？」


生駒「なんだろ…」


「え、何かしたかな…」


『自覚症状あるの？』


「全然ない、ダイエットくらいしかしてない」


渡辺「アイドルの鑑すぎる笑」


「身に覚えがないから怖すぎる」


生駒「えー、なんか怖い」




確実に何かある。

良くない話だ。

でも、この手の空気感は経験したことない。

初めての空気に動揺した。




『実はね、またメンバーが撮られて…』


渡辺「え…」


『そのメンバーがちょっとね…

うん、ショックかもしれないんだけどさ…』


「やだぁ…」


渡辺「あぁ、目がうるうるしちゃった…」


『A〜汗』


「聞きたくなぁい…」


渡辺「そうだよね、辛いよね」


『ごめんね。

いや、私も言うの辛いんだけどさ。

大切な話だから聞いて欲しい。

実はさ…たかみななんだよね』




時が止まった。

天地がひっくり返った気がした。

たかみなさんが…？

あのたかみなさんが？

撮られたってどういうこと？

意味分かんない。

信じられない。

絶対、絶対嘘だ…！




渡辺「えっ…」


『これ、もう記事も上がってきてて…』


「あっ…」


『まぁ、まだこれだけだと分からないんだけど。

でも多分、これだけってことはないから。

この程度だと、記事には出来ないし。

中身には、もっと決定的な写真があるんだと思う。

だから、これからのことは覚悟しといてほしい』


「…ﾋｯｸﾋｯｸ」


生駒「A〜、大丈夫よぉ」


『ごめんね、衝撃的すぎたね…』


「たかみなさん…今日休みだったのって…っ？」


『うん、今は謹慎ってことになってるんだ』


「やぁだぁ…ﾋｯｸﾋｯｸ」


渡辺「…分かり、ました」


『うん、3人ともごめんね。

こういうことだから、よろしくね』


渡辺「はい…」


『Aもごめんね』




まだ、頭が真っ白で。

この事実を受け止めきれていなかった。

この先、AKBはどうなっちゃうんだろう？

たかみなさんは、どうなってしまうのだろう。

不安と恐怖。

体が震えて、涙が止まらなかった。

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