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これは禊なのだ ページ25

白石side


怒りだったのだろうか。

それとも、絶望だったのだろうか。

なんだ、この気持ちは。

怒りだってもちろんある。

でもそれは、やってしまったことに対して?

相手の人の行為?

それとも、一方的な記事?

いや、多分、これは…




橋本「まいやん」


白石「ななみん…」


橋本「大丈夫?」


白石「うん…」


橋本「私ね、率直に言うと怒ってる。

さゆりんにもちょっと。

でも、それ以上に相手と記事に。

あんなやり方、卑怯すぎる。

そして、卑怯だって分かっていながらも、面白おかしく書く記者も。

どっちも最低だよ。

人の気持ち、人生なんて全く考えちゃいない。

自分達の私腹を肥やすことばっかで、汚い大人だと思う。

でも、1番最低なのは私。

さゆりんのこと、私は何も知らなかった」


白石「ななみん…」




そうだ。

絡まっていた、怒りの糸が解けた。

1番怒っているのは、自分自身だ。

御三家、御三家とあれだけ言っておきながら。

言われていながら。

私は、私たちは、何にも知らなかった。

何にも出来なかった。

結局、御三家とは何だったのだろう。

形だけの、偶像だったのか。




白石「さゆりん…悩んでたのかな。

私、全然気づかなかった。

夏も、ずっと一緒にいたのに。

友達だよ、親友だよって。

それなのに、わたし…っ」


橋本「悔しいね…っ」


白石「うん、悔しい…っ」


橋本「何のために、私たちは一緒にいたんだろう。

こういう…ううん、こうなる前。

辛い時に辛いよって言えて。

支えるねって、支え合って。

そうするために、一緒にいたんじゃなかったのかな…」


白石「うん…っ」




私たちは、どんな関係だったんだろう。

ななみんも、休養を決める前に、私たちにも相談しなかった。

私も、悩んでいた時に2人を頼らなかった。

そして、さゆりんも…

御三家って、なんだろう。

何度問いかけても、答えは出なかった。




橋本「起きちゃったことはしょうがない。

それで片付けられる問題じゃないけど。

でも、もう同じ間違いはしない」


白石「うん…さゆりんのこと、辞めさせない」


橋本「次は守ろう、私たちで」


白石「うん、約束する」


橋本「約束ね」




絶対に、破れない約束をした。

ここで見捨てるのは、仲間じゃない。

私は、私たちは、彼女のことを仲間だと思ってるから。

これは、赦しじゃない。

再び3人が、前より強くなるための禊。

これならば、3人一緒に受けなきゃ意味がない。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年2月18日 10時

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