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胸騒ぎ ページ17

橋本side


生田「お昼ーっ!」


星野「いくちゃん声おっきい〜笑」


生田「お肉とお魚、どっちにしよ〜」


白石「両方行っちゃえ〜笑」


生田「えー、いいかな?」


星野「もぉ、足りなくなっちゃうでしょー?」




お昼ご飯の時間は、みんなスイッチオフ。

ちょっといなかっただけなのに、懐かしいなって思ってしまう。

無邪気にお弁当選んでて、これこれって思っちゃう。

安定の空気感、やっぱ好きだわ。




「いくちゃん、これあげる」


生田「え、A食べないの?」


「うん、ママのお弁当あるから」


生田「えー!今日お弁当出るのにー?」


「そうなの、最近ずっとママが作ってくれてるんだ。

だから、私要らないの。

いくちゃん、両方食べて良いよ」


生田「えー、それならいただきまーす」


「うん、むしろありがとう笑」




センサーが発動した。

久しぶりに聞いた、その単語。

私の感覚は、まだ鈍っちゃいない。

黄色信号を察知して、すぐに彼女の元へ駆けた。




橋本「お弁当?」


「そう、これ」


橋本「嘘でしょ?」


「え、そんな驚くこと?

最近はずっとこんなもんだよ?」


橋本「毎日?」


「うん、学校の時もそうだもん」


橋本「待って、これお母さんが作ってるの?

Aがリクエストしたとか?」


「ううん、ママが作ってるよ。

ほら、最近太って来ちゃったから。

ちょっと絞らないとなってね」


橋本「待って、こんなんじゃダメだよ。

こんなちょっとじゃ、持たないって」


「え、全然平気だよ〜」




お弁当と言われた時点で、嫌な予感がした。

そして、それは見事に当たる。

小さなお弁当箱には、小さなおにぎりと少量のおかず。

あとは、サラダにフルーツにナッツ類少し。

これ、育ち盛りの子が食べるメニューじゃない。




「大丈夫だよ、朝はちゃんと食べてるから。

夜になるにつれて、どんどん食べる量を減らしてくダイエットしてるの。

ママが全部管理してくれてるから問題ないよ」


橋本「ほんと…?」


「うん、今日はちょっと少なめだけど。

それは昨日、AKBさんのロケがあって。

そこで食べすぎたから、調整してくれたの」


橋本「ならいいけどさ…」


「食べた物、全部写真撮って送ってるし。

過激なダイエットとかじゃないからさ」


橋本「うん…」




見た感じ、病的なほど痩せてるわけでもない。

少しシャープになったかな、くらいで。

だから、油断した。

この先の悲劇を、私はまだ知らない。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年2月18日 10時

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