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桜井side


「でも、きっと分かってくれてる。

ただ、私が言ったから…

ほら、私って人望ないじゃん?

だから、受け入れてもらえなかっただけで。

きっと玲香が言ったら…

うん、みんな分かってくれると思うよ」


桜井「そんなことないよ。

私なんか、ダメダメなキャプテンだから…

肝心な時に言葉に出来ないから、みんなも信頼出来ないんだよね」


「んーん、玲香がいい。

玲香みたいに、ちゃんと人に寄り添える人がリーダーだよ。

私はダメだ。

口ばっかりで、全然行動がね…笑

私はただ、キツくて性格が歪んでるだけだから」


桜井「いやいや…」




MV撮影で、久々にAに会った。

ちょっと元気なさそうで、疲れてて。

やっぱり夏が尾を引いてるなぁって、すぐ分かって。

デトックスを兼ねて一緒にお散歩したけど、やっぱり大きな変化はなし。

年齢的にも、人間関係には悩んじゃうもんね。

でも、それ以上に気になるのはAのプロポーション。

前、こんなに薄かったっけ?




桜井「ねぇ、Aさ…

制服、ちょっと大きくない?大丈夫?」


「あー、ちょっと大きめではあるけどね。

でも、落ちるほどじゃないから大丈夫」


桜井「折ってる?」


「うん、まぁ…」


桜井「ちょっとセーター捲っていい?」


「いいけど…」


桜井「…あのさ」


「ごめん、電話。

AKBの衣装さんからだから、また後で」


桜井「あっ…」




セーターに、ゆっくり手を伸ばす。

腰の辺りまで捲った時。

ピタ、と手が止まった。

ウエスト部分を見て、硬直したのだ。

Aの腰部分は、幾重にもスカートが折られていた。

確か、1番小さいサイズだったはず。

それなのに、こんな折るって…

触れようとして一瞬早く、Aはするりと逃げ出した。

あぁ、こっから先は触れちゃダメなんだ。

呆然と、その後ろ姿を見送った。




:




「あ、玲香〜!」


桜井「A、電話終わった?」


「うん、ごめんね、話遮って」


桜井「んーん」


「ごめん、何だった?」


桜井「いや……忘れちゃった笑」


「えー!気になるー!」


桜井「ごめんごめん、すっかり頭から抜けちゃって。

きっと、そこまで重要なことじゃなかったのかな?

あーもう、忘れっぽすぎてやんなっちゃうよ笑」


「もー!しっかりしてよー笑」




触れちゃいけない。

だから、咄嗟に離してしまった。

これが彼女を堕とすことになってしまったなんて。

私は、後に大きな後悔をすることになる。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年2月18日 10時

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