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桜井side


桜井「私…最悪だっ」


若月「玲香…」


桜井「Aに…Aにあんなこと言わせて。

私が言わなきゃいけなかったのに…っ!」


若月「それは私も同じだから…」




2回も、大切な仲間を苦しめてしまった。

苦しめたことに対して、直接申し訳なく思ってるわけじゃない。

その原因を作ったことに対して、申し訳なく思ってるのだ。

責任転嫁とは、まさにこの事。

誰かが言うだろうと思って、見過ごした。

そして、その誰かとは…

頭の中に、明確に2人の少女が浮かんでいた。




桜井「A…またみんなと…っ」


若月「あれは、Aが言い過ぎってわけではないと思う。

あの状態だったら、そう言っちゃうのも仕方ないと思う。

お互い、頭に血が上って心にもないこと言っちゃっただけで…」


桜井「それでも、Aとメンバーの間に溝が出来た。

せっかく、生駒が兼任して埋まりかけたって言うのに…」


若月「うん…」


桜井「私が言えば良かったんだ…っ」


若月「玲香、大丈夫だよ…!」




やっぱり心配で。

出てった2人を追いかけたら、何やら騒がしい声が聞こえて。

言い争いを聞いてしまった。

自分がナイフで刺されたかのようだ。

どっちの主張も、クッションがない。

相手が複数な分、Aの痛みは数倍だと思う。

私は…

私はなんで、こうも毎回、大切な人を傷つけてしまうんだろう。

その人を守ることが出来ないんだろう。




桜井「同じこと思ってたのに…っ

私も、Aと同じこと…っ」


若月「…うん」


桜井「でも、怖くて…

誰かが本番までには言うだろうって。

そう思って、それで…っ」


若月「うんうん」


桜井「でも、誰も言わなくて。

そのまま、本番が始まって…っ

裏もバタバタで、全然余裕なくて。

こんなんじゃダメだって…っ」


若月「うん」


桜井「乃木坂に神宮は、まだ早かったんだ…!

今日の公演は、失敗だった…っ」


若月「そうだと思う。

けど、それは玲香のせいでもない。

多分、みんなの責任なんだよ。

特定の誰かじゃない。

私だって、思ってこと言わなかった。

だから、私の責任でもある」


桜井「それでも、私はキャプテンだから…っ

こんなんじゃ…乃木坂はダメになるよっ」


若月「うん…」


桜井「ごめん、今は1人にして」


若月「…分かった」




頭の中がぐちゃぐちゃで。

涙と嗚咽が止まらなかった。

今は、1人になりたい。

これからのこと、1人でじっくり考えたかった。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年2月11日 23時

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