棘にまみれた言葉 ページ40
時が、止まっていた＿＿＿
ついこの間までは、夢にも思っていなかったこと。
まさかの現実に、打ちのめされていた。
頭が真っ白で、誰も何も言えなかった。
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「今日、紅白歌合戦の最終選考会がありました」
淡々とした様子で、今野さんは切り出した。
この表情から、何となく予感してしまっていた。
だけど、信じたくなかった。
絶対に嘘だと、叫びだしたかった。
「残念ながら、乃木坂46は、紅白歌合戦には選ばれませんでした」
この言葉が、今ある現実の全てだった。
突きつけられた現実は、あまりに容赦がなかった。
会議室に集められ、メンバーは座っていた。
いつもならみんなで固まるのに、今日はなぜかまばらだった。
この事実を知っていたかのように、静まり返っていた。
音として入ってきた情報を、それぞれが咀嚼する。
涙が溢れ出るメンバー、下を向いたまま動かないメンバー、唇を噛み締めるメンバー…
反応は三者三様だった。
でも、どのメンバーにも共通して伺えること。
それは、悔しいっていう感情。
やり切れない思いの捌け口が分からなかった。
隣から聞こえる、HKT48さんの声。
紅白歌合戦に出られます、というスタッフさんの声と重なるように、叫び声が続いた。
歓喜に湧いている。
私たちは、あと少し及ばなかった歓声。
もしかしたら、この歓声を上げていたのは、私たちだったかもしれない。
そう思った途端、悔しくて悔しくて涙が出てきた。
嗚咽が漏れるほど、それは止まらなかった。
:
ひとしきり泣いて、みんなが帰り支度を始めた。
ほとんどのメンバーが楽屋から出て行き、残ってるのは私含めて数人だった。
私も帰ろう、と立ち上がった時だった。
後ろの方で、ポツリと声がした。
松村「私のせいや……」
本当に、小さな呟きだった。
今にも消えてしまいそうな、吐息のような声。
だけど、私の耳は敏感にそれを感知した。
そして、心の中で何かが切れた。
プツン、と音を立てて。
そこから溢れ出る気持ちを、抑えることが出来なかった。
次の瞬間、言葉は口をついていた。
A「そうだよ、さゆりんのせいだよ！」
後悔、という言葉が出てくるより先に、私は叫んでいた。
今まで言えなかったことを、全部ぜんぶ。
とにかく、この苦しさから解放されたかった。
再び、時が止まった＿＿＿
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美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2020年11月20日 13時) (
レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - なおっぺさん» 返信遅れてごめんなさい。コメントありがとうございます。リクエストも時期を見て入れさせて頂きます！ (2020年6月21日 9時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - ひかりさん» 返信遅れてごめんなさい！いつもコメントありがとうございます！頑張ります！ (2020年6月21日 9時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
なおっぺ(プロフ) - 初めまして。前回のhktの時の小説から読ませていただいてました。リクエストなのですが夢主が突然倒れて入院する話、そしてメンバーが支えてくれる話を読みたいです。 (2020年6月16日 20時) (レス) id: a39e2f05b2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり - これからも更新頑張って下さい。更新楽しみにしています。 (2020年6月14日 14時) (レス) id: f28e4bd62b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2020年6月8日 17時
