検索窓
今日:7 hit、昨日:11 hit、合計:53,435 hit

私たちも立ち上がるよ ページ48

それから、すぐに事務所の方は動いてくれた。

なんと、乃木どこの企画になったのだ。

お食事会をして、その中で親睦を深めようと。

まぁ、親睦というより指導なんだけど。

確かに、2期生には改めて伝えなきゃいけない。

そう分かってはいても、どうにも落とし込めなかった。

何だか負けた気がして嫌だった。




橋本「…A?」


「…ん?」


橋本「なんかあった?」


「いや…」


橋本「そっか」


「うん」


橋本「とりあえず、収録前にこれ食べな?」


「チョコ?」


橋本「イライラしてる時は、甘いもの食べて落ち着こ?」


「…ごめん」


橋本「2期生のこと?」


「うん、まぁそんな感じ。

分かるけどさ、この企画の意図も。

なんか…腑に落ちなくて」


橋本「まぁ、こないだのミニライブは酷かったね。

全然緊張感ないし、礼儀もなってないし。

未央奈がセンターやってるのに、悔しいって気持ちが感じられなかった。

でも、なかなか言う機会もないじゃん?

だから、有り難い企画だと思うよ」


「やっぱりそうだよね…」


橋本「これなら、テレビ的に言い訳も出来るしね。

企画だからって思えば、本音も言いやすい。

ファンの方も納得しやすい」


「うん…」


橋本「だから、私は良いと思うよ。

心にあること、伝えちゃって」


「…かなぁ」


橋本「逆に、今言わなかったら後出しだよ。

これで変わらなかったら、もうほっとく。

それくらいの気持ちでいいんじゃないかな。

きっと、放送されたらSNSで騒がれるんだし。

そしたら漸く、本気出すと思うよ」


「うん…」




重い…と言うより、完全にイライラしていた。

当てつけのような企画にも、母親にも、言いなりになった運営にも。

どうせ、私が言わなきゃいけない。

そうじゃなきゃ、誰も納得しない。

私のためとか言ってるけど、私は自分の首を絞めてるだけ。

放送されたら、叩かれるのは私だ。

ほんっと、何にも分かってない。




橋本「私も言うよ」


「え?」


橋本「私も言いたいこと言う。

生駒ちゃんも、まいやんも言うって。

Aだけじゃないよ、大丈夫」


「ななみん…」


橋本「とりあえず、今は伝えたいことを伝える。

これだけに集中しよう?

本心からの言葉で愛があれば、必ず伝わるから」


「うん…!」




この人には、絶対敵わない。

全部見抜いた上で、触れずに寄り添ってくれるんだから。

よし、私も切り替えよう。

伝えるべきことは、愛を持って伝える。

・→←・



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
156人がお気に入り
設定タグ:乃木坂46 , AKB48 , アイドル
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年2月2日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。