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ページ47

『白橋さんの仰る通りです。

彼女達には、まだまだ未熟な部分がたくさんあります。

その辺は、我々が逐一指導していきますので…』


『本当にお願いしますね。

私は、乃木坂のためを思って言ってるんです。

それは遠回しに、娘のためでもありますけど。

私も、娘にキツく言って聞かせます。

もっと自分から、2期生に厳しく指導しなさいと。

なので、事務所の方もよろしくお願いしますね』


『かしこまりました』


「…すみません」


『ごめんな、Aにばっかり嫌な役回りさせて』


「いえ…」


『大丈夫です、うちの子も悪いですから。

まだ気持ち的にもど素人の子と、無駄に仲良くなろうとするから。

そういうのは、礼儀が出来てからにしなさい。

仲良くするのと馴れ合いは違うんだからね。

再三言ってるのに、いつになったら理解するの!』


「はい…」




親しき仲にも礼儀あり。

母親の言いたいことはこれだ。

随分と脱線したけれど。

言いたいことは分かるけど…

どうにもやり方が気に入らなかった。




:




「先程は、うちの母親が大変失礼しました…

何にも知らないのに、本当にすみません…っ」


『いや、Aが気にすることじゃないよ。

実際、お母さんの言ってることは間違ってないわけだし』


「それでも…あの態度は酷すぎます」


『挨拶は確かに基本だからね。

お母さん以外のスタッフにも、指摘されたことあるんだ。

ただ、我々が逐一の指導を怠っていた。

お母さんが怒るのも当然だと思う』




すぐ、運営の方に謝りに行った。

こんなの…黙って見ていられない。

私が謝るのもおかしな話だけど、そうでもしなきゃ落ち着かない。

運営の方は私の意に反して、お母さんの肩を持っていたから困惑した。




『確かに、乃木坂は良くも悪くも仲が良すぎる。

白橋が兼任してだいぶ経つけど、みんな慣れちゃったから。

適応が段々と馴れ合いに変わって来てるのかもしれない』


「そうだとしても…」


『いいんだよ、白橋は気にしなくて。

むしろ、いつも巻き込んでしまってごめんね。

白橋だけが悪者にならないように、我々も考えるからさ』


「いや、別に私はそんな…」


『ま、今日は疲れただろうからゆっくり休んで、ね?』


「はい…すみませんでした」




どうにもこうにも、納得できない。

心の奥に燻った炎は、真っ黒焦げになっていた。

不完全燃焼な気持ち。

私は、このやり場のない感情をどこに向けたら良いと言うのだろう。

私たちも立ち上がるよ→←お城の主の激昂



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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年2月2日 11時

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