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大島side


Aのことを、たかみなから全部聞いた。

私が伝えたことは内緒ねって言われたけど、もちろん言う気は毛頭ない。

さっきの表情、そして発作…

見ていたら、言葉なんかなくても悟っちゃう。

きっと彼女は、また何か傷を負ったのだということに。

そしてそれに、私が関わってるということに。




大島「お母さん、そんな風に言ったんだ…」


高橋「後半の話は、Aの憶測なんだけどね。

でも、私も同じこと思ってた。

だから、ほぼ確信に近い憶測だと思う」


大島「そうだよね、私もそう思う。

自分が10年間育ててきた。

きっと、ものすごく期待と愛情と労力をかけて。

Aもそれを応えて、まるで上手くいくと思ってたはず。

でも、一瞬でその手から離れてしまった。

関わったこともない、見ず知らずの他人の方に走って行ってしまった。

その事実を、まだ受け入れられてないんじゃないかな。

だから、前以上にAに没頭しようって努力してみた。

それでも、要所要所で思い出しちゃって。

全部、Aへの攻撃へと変わっちゃうんだと思う」


高橋「確かに…総選挙の時は凄かったよね。

お母さんの応援とか、サポートとか。

それでAの気持ちをコントロールしようとしてたのか」


大島「うん、多分ね」


高橋「でも今回、Aが1番ショックを受けてる。

そこに追い打ちをかけることで…」


大島「私も辞めるって言葉を引き出したいんだと思うよ」


高橋「そんな…」


大島「ちょっと色々ね、勉強してたんだ」


高橋「心理学?」


大島「うん、まぁそんな感じ」


高橋「すご…」


大島「ほら、私はもうずっと一緒にはいられないからさ。

せめて、Aが救われる方法は残しておきたいと思って。

私がいない時間でも、Aが生きたいって思えなかったら意味ないし」


高橋「優ちゃん…愛だね」


大島「もちろん、私が誘ったんだもん。

アイドル白橋Aのこと、こっちの世界に。

最後まで責任持つのは、当然だよ」


高橋「A、心強いだろうなぁ」


大島「残して去っちゃうから、これくらいはね。

だって、私が白橋Aのファン1号だもん」


高橋「そうだった笑」


大島「たかみな、あとは頼んだよ」


高橋「うん、任せて」




大島優子として、傍にはいられない。

だったらせめて、その残像だけでも。

彼女がお守り代わりに持てるように。

魂だけでも、ここに吹き込んでおこう。

それが、せめてもの償いだから。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年2月2日 11時

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